【相撲】ついに新型コロナ陽性判明 力士クラスター懸念

2020年04月11日 16時40分

芝田山親方がコロナ禍を懸念

 ついにコロナ禍が角界にまで押し寄せた。日本相撲協会は幕下以下の力士1人(名前、年齢、所属部屋は非公表)が新型コロナウイルスのPCR検査を受けて陽性反応が出たことを発表。協会員で初めて感染が確認された。角界内では集団感染の懸念も強まる一方、2週間延期した大相撲夏場所(5月24日初日、東京・両国国技館)が開催中止となる可能性が出ており、さらなる波紋を呼んでいる。

 角界内に衝撃が走った。相撲協会は幕下以下の力士1人が都内の病院で新型コロナのPCR検査を受け、陽性反応が出たことを発表。力士は4日から高熱を出し、体のだるさや咳、血痰などの症状もあった。発熱後は隔離され、現在は入院中。同部屋の他の力士らに感染が疑われる症状は出ていないものの、外出せずに部屋や自宅で待機。稽古も中止している。

 初の感染者が出たことを受け、広報部長の芝田山親方(57=元横綱大乃国)は「この感染症は人ごとではない、身近に存在しているということを痛感している」と危機感を募らせる一方で、角界内では集団感染の懸念が強まっている。力士たちは日々の稽古で体同士を密着させている上に、相撲部屋で共同生活を送っているからだ。日常的に濃厚接触している環境とも言える。

 角界関係者は「感染が一人だけで済むはずがない。(部屋の)全員が感染していてもおかしくない」と危惧する。今回感染した力士が所属する部屋には少なくとも関取を含む10人以上の力士が在籍していると見られ、今は無症状でも集団感染の可能性はゼロとは言い切れない。今後、感染者数が急増すれば、角界全体がパニックに陥ることは間違いない。

 相撲協会は夏場所を2週間延期することを決定済み。初感染が確認されたからといって、すぐに中止が決まるわけではない。ただ今後、2人、5人、10人…と感染が拡大していくことにでもなれば、とても相撲どころではなくなることは確か。親方衆の一人は早くも「夏場所は中止にしたほうがいい」と悲観的な見方を示した。

 今後は保健所の指導の下で感染経路の調査や、濃厚接触者の検査などが行われる予定。果たして感染者数は増加するのか、最少人数で抑えられるのか。その動向に注目が集まる。