フィギュアスケートの北京五輪代表最終選考会を兼ねる全日本選手権(さいたまスーパーアリーナ)の男子フリーが行われる26日、会場外には早朝から長蛇の列ができた。

 この日は羽生結弦(27=ANA)が人類初となるクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦。歴史的瞬間が目前に迫ると当時に、羽生の雄姿を日本で見られるのが最後という可能性もあり、会場外は朝から熱気に包まれた。座席はすべて指定席だが、試合前の公式練習の観戦を望むファンは早朝から訪れた。先頭はなんと午前4時半。世界的な注目度の高さを物語っていた。

 東北から来場した女性は「歴史的な瞬間を目に焼き付けたい。これが羽生君を日本で見る最後だと思うので」、午前8時から並ぶ女性は「平昌五輪から常に最後だと覚悟を持っています。ここまでの彼の努力に感謝したい」と話した。警備に当たった担当者は「ここまで早くから並ばれている光景は珍しい」と驚いていた。
 
 羽生はショートプログラム(SP)で国際スケート連盟(ISU)非公認ながら今季世界最高得点を上回る111・31点をマークして首位発進。この日の夜のフリーで前人未到の大技と2年連続6度目の全日本制覇を狙う。