【取材の裏側 現場ノート】ちょうど半年前、東京五輪の開会式が行われた。コロナ禍や猛暑、運営面でも数多くの課題に直面したが、全日程を終了し、パラリンピックまで完走。1年延期となった大舞台は選手の活躍はもちろんのこと、パラ閉会式に登場した公式マスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」も注目を集めた。

 特に大会後は感染状況が落ち着いたこともあり、〝ミラソメ〟の露出機会が急増。すると、SNSでは「#ミラソメ存続希望」というハッシュタグ付きのコメントが次々と投稿されるほど人気が高まった。そこで記者はこの〝空気間〟を確認したいと思い、ミライトワとソメイティが出演するイベントの取材に向かった。

 当時は先着30組が主役の〝2人〟と写真や動画を撮影できるということで会場に足を運んだが、開始1時間前の時点ですでに長い行列ができていた。結局数百人が集まり、直接交流できなかったファンも離れた場所からイベントを楽しむなど大盛況だった。

 その後、公式マスコットは都と国際オリンピック委員会(IOC)などが結んだ開催都市契約により昨年末で使用権が終了した。そうした中、生みの親でキャラクターデザイナーの谷口亮氏が、自身のSNSで新たに「ミライティ」を公開して話題になっている。

 ミライトワとソメイティを〝フュージョン〟させて、互いの色を残したパターンと紫で仕上げた2種類をデザイン。ファンからは「進化してる」「凛々しくてカッコいい」「新しいキャラとしていきましょう」「すでにグッズがほしい」といったコメントが寄せられた。

 一方、谷口氏によれば、これまでマスコットを認識されていたものの、名前を覚えてもらえないことがあったという。

「『名前、ミライティですっけ?』と。じゃあ、ミライティを描いてみようと思ったのがきっかけです。〝ネタ〟として描いてみました」

 非公式のイラストながらファンの想像を膨らませる〝新キャラ〟が誕生した。(五輪担当・小松 勝)