バスケットボール男子日本代表監督に就任したトム・ホーバス氏(54)が、東京五輪で日本女子を銀メダルに導いたスタイルで強化を進めていく。

 22日にオンラインで就任会見を行った前女子日本代表監督は「スタイルは女子日本代表と変わらない」とキッパリ。攻守の切り替えの早さを徹底し、速攻をしかけ、高確率の3ポイントを駆使するなど高さやフィジカルに勝る海外勢に対抗する日本人の特長を生かした戦い方だ。

 女子に比べて男子は世界とのレベル差が大きい状況にあるため、2024年パリ五輪でいきなりメダル獲得は現実的ではない。熱い指導に定評ある指揮官もここは冷静に言葉を選んだ。

「4年前、女子日本代表の監督に就任したときは女子日本代表のバスケを完成させれば、金メダルのチャンスがあると思っていた。しかし男子の選手たちとはこれから信頼関係をつくっていくため、その差は大きい。選手たちの気持ちや努力のレベル、信じる気持ちなどをこれからの練習中にしっかりと見ていきたい」

 まずは女子と同様に強固な信頼関係を築いた上で強化を進める。「NBAでプレーする八村塁選手(ウィザーズ)と渡邊雄太選手(ラプターズ)とは米国で直接会って話をしたい」とも語った。今後は10月上旬に来日してBリーグなどを視察。初陣は11月に予定されている23年W杯アジア1次予選となる見通しだ。

 24年パリ五輪に向けては出場権を勝ち取ることが目標となる。