東京五輪で4個の金メダルを獲得し、世界に強さを見せつけた韓国アーチェリー界で、凄惨ないじめが発覚して大きな波紋を呼んでいる。

 韓国紙「国民日報」などによると、慶北醴泉郡の中学校のアーチェリー部で、先輩部員が後輩に向けて弓を放って負傷させる事件が発覚。被害生徒の父親が23日に韓国ラジオ局「CBS」に出演して事件の詳細を明かした。

 被害を受けた男子生徒は練習後に用具の片付けを行っていたところ、先輩部員から3~4メートルという至近距離から矢を放たれて負傷。アーチェリーは殺傷能力があり、一歩間違えば〝殺人事件〟になる極めて悪質な事件だ。

 しかし被害を訴えると、慶北アーチェリー協会のキム・ドヨン会長は「(五輪で躍進した)お祝いムードが高まっているんだから、わざわざそれを壊すことはないだろう。事件はなかったことにしよう」と〝もみ消し〟を要求。不誠実な対応に激怒した被害者側がメディアで暴露するに至った。

 さらに、被害生徒は加害者の先輩から性行為まで強要されていたことが明らかになった。

 東京五輪で大きな注目を浴びたアーチェリー界での醜聞に韓国内は騒然となっており、今後の展開に注目が集まる。