本当に大丈夫なのか。東京五輪開幕まで40日を切る中、大会開催への反対意見は依然として根強い。大会組織委員会の橋本聖子会長(56)や日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)ら主催者サイドは「安心・安全」な大会の実現を繰り返し強調しているが、五輪OBでさえ懐疑的な目を向けている。

 元メダリストのA氏は大会の中止や再延期を求める意見に「スポーツで感動や希望を与えることができるのは平時での話であり、現実的ではないと突っ込まれてもおかしくない。飲食関係者が感動や希望で食っていけるのかということ」と理解を示した上で、新型コロナウイルス感染対策で採用される「バブル方式」を疑問視する。

「過去に五輪に出場した経験や実際に世界選手権を見ていて、バブルなんて絶対に成立しないと思っている。(橋本会長や山下会長は)五輪を経験なさっているのに『成立しないかも』と感じたことはないのか。はっきり言って、バブルは穴が開くだろうし、崩壊する可能性のほうが高い」

 さらに、橋本会長や山下会長らの対応についても「(選手を)守ってくれるのであれば〝偉い人〟たちが盾になってくれればいいが、今はただ台本を読んでいるだけのような、会話ができない人になっているのが悲しい。話を聞かず『我々はこれをやるだけ』という印象になっていてスポーツが嫌われる一端を担っている」と苦言を呈した。

 本番が刻一刻と近づく中で「なぜ開催するのか。きちんと説明してほしい」(A氏)との訴えは、主催者側に届くのだろうか。