東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が、4日に行った会見で日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)に〝火の粉〟を浴びせるような発言もしていた。

 森会長は3日に行われたJOCの評議員会で女性理事を増やす方針に関連して「女性がたくさん入っている理事会というのは時間がかかる」「女性の数を増やす場合には発言時間をある程度、制限しないと、なかなか終わらないので困る。組織委にも7人ぐらいおりますが、皆さんわきまえておられて」などと発言していた。この女性蔑視発言は、世界規模で批判を浴びることになり、この日の会見で発言を撤回し、おわびした。

 その会見の中で森会長はこんなことも語っていた。女性がいる会議は長くなると発言した根拠について聞かれると「そういう話はよく聞きます。特に山下さんの時はJOCの理事会の理事をかなり削って、女性の枠を増やさなければいけないということで大変苦労したという話をしておられて、理事の中でも反対があったり、大変だったのを何とかここまでという苦労話を聞いていたからです」。まるで山下会長が、JOCの女性理事を増やすことをよしとしていなかったかのように受け取れる発言だろう。

 また森会長は「僕はそういうこと(女性がいると会議が長くなる)を言う人はどういう根拠でおっしゃったか分かりませんけど、自分たちが女性の理事をたくさん選んだけど、結果としていろんなことがあったという話を聞いたことを思い出して言っている。昨日、山下さんに、そういうことでこれから苦労されますよ、ということを申し上げたんです」とも。3日の女性蔑視発言を撤回、謝罪したといっても、やはり積極的な女性登用には反対のようだ。