政府、東京都、大会組織委員会で構成される東京五輪・パラリンピックへ向けた「新型コロナウイルス感染症対策調整会議」が27日、首相官邸で行われた。今回の主な議論は以下の4点だ。

 ①アスリートの保険衛生・医療・療養機能
 ②アスリートに感染者または疑い例が発生した場合の対応
 ③陽性者発生時の競技運営の在り方
 ④アスリート以外の関係者の出入国・大会中の行動規範および宿泊

 ①について「組織委員会感染症対策センター」(仮称)の設置が提案された。会議に出席した組織委の武藤敏郎事務総長(77)は「このセンターではアスリートの健康状況のモニタリングおよび支援を行うとともに、いざ陽性者が発生した場合は迅速に情報共有を行う」と話した。同センターの設置により、選手村の総合診療所、保健衛生の拠点と連携し、感染症対策を一元的に推進できる機能を持たせるという。

 そして、武藤氏が「非常に重要なポイント」として挙げたのが③だ。万が一、大会中にアスリートが陽性になった場合、果たして競技運営はどうなるのか? 五輪開催の根幹となるテーマだ。武藤氏は「あらかじめ統一的な対応を決めておく」「判断基準を決めておく」という基本的な考え方を挙げた上で「陽性者が出たら当然、濃厚接触者を特定しなければならない。特定するに当たっては、競技の性質、チーム競技か個人競技か、格闘技系なのか、そういう視点も考慮すべきではないか」と話した。

 また、武藤氏は陽性となったアスリートおよび濃厚接触者について「直ちに出場不可なのか、それともその後に再検査などを行って陰性となれば出場可能となるのか。これも議論の対象になる」と論点を掲げた。

 なお、④についてはアスリートと接触する競技団体関係者、スタッフなども行動ルールを定められる。表彰式のプレゼンターはマスク着用、手指消毒などの感染対策を徹底し、工夫して表彰式を実現するという。