都議選で過去最低の23議席に終わった都議会自民党は24日、新幹事長に新宿区選出の秋田一郎都議(51)の就任を発表。秋田氏には本紙愛読者という意外な素顔が――。

 先の都議選で当選した都議は23日から任期がスタートし、各会派で新たな役員人事が決定。都議会自民党によれば、秋田氏と中屋文孝都議(51)が幹事長に立候補し、協議の末に秋田氏が選出された。

 苦境に立つ都議会自民党には、さらに追い打ちをかける事態が発生していた。世田谷区で自民党公認で当選した大場康宣都議(69)は選挙前同様、別会派での活動が決まり、自民党は公明党より1議席少ない22議席で、第3会派へと転落した。

 火中の栗を拾う格好で幹事長となった秋田氏は「今まで以上に謙虚に愚直に全員野球で取り組んでいきたい」と繰り返した。自民党関係者は「秋田氏は当選4回。麻布中・高、慶応大卒のエリートですが、8年前の都議選では落選した苦労人」と話す。

 秋田氏のホームページのプロフィルを見ると好きな言葉や映画に並んで、バイブルの項目があり、リチャード・ニクソン著「指導者とは」、ディケンズ著「大いなる遺産」、フィッツジェラルド著「グレート・ギャツビー」など名著に並び、最後に「東スポ」とあるではないか。

 秋田氏に聞くと、筋金入りの本紙愛読者のようで、プロレスファンだった中学生のころからだという。

「今でも読んでいるのは、ネッシーとかの記事がある一方で、社会的に叩かれた人も時間がたったら必ず独占インタビューをやっている。フェアな新聞だなと」

 叩かれたといえば、都議会自民党も小池百合子都知事(65)から「都議会のドン」「ブラックボックス」と批判されたが、その「都民ファーストの会」が議員への取材規制や意思決定の不明瞭さを取りざたされている。

「知事をはじめとする行政に対するチェック機関が我々の重要な仕事。信頼を取り戻したい」(秋田氏)

 東スポマニアの新幹事長の下、都議会自民党は都民ファが“暴走”した際のストッパーを務めることができるのか――。