東京五輪・パラリンピックを巡り、大会スポンサーの紳士服大手AOKIホールディングス(HD)側から5100万円を受け取ったとして、東京地検特捜部は17日、受託収賄の疑いで組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)を逮捕した。

 特捜部は贈賄容疑で、AOKIHD前会長の青木拡憲容疑者(83)ら3人も逮捕した。高橋容疑者の逮捕容疑は、青木容疑者らからスポンサー契約などで有利な取り計らいを受けたいとの請託を受け、17年10月~今年3月、50数回にわたり計5100万円の賄賂を受け取った疑いが持たれたいる。

 高橋容疑者は広告大手「電通」の元専務で、スポーツビジネスの第一人者として知られており、五輪の東京招致活動に深く関わっていた。

 政界関係者は「高橋容疑者らの逮捕はお盆明けと言われていた」と話し、特捜部の次の狙いをこう指摘した。

「特捜部は現職のとある与党議員を逮捕したいのではないかと言われています。献金や裏金でなく、所得税法違反の容疑で…」

 世界最大のスポーツの祭典から1年。不透明なカネのやりとりは汚職事件にまで発展している。