コロナ禍で需要が増えた商品の一つが抗菌スプレーだ。一時期は店頭で品薄になって入手困難だったが、今は種々の製品が登場するようになって、逆にどう選べばいいのか迷ったりする。専門家に選び方を尋ねた。 

【感染予防で進んだ技術開発】近年は抗菌・防臭グッズ全般がブームの状況にあるが、抗菌スプレーについて言えばコロナの影響が大きい。感染防止対策としてマスク、手洗いや抗菌スプレーの使用が推奨された。そもそも抗菌技術の開発が進んだのも、感染症対策からだったそうだ。

「約20年前にアメリカの介護施設でクラスターが発生しました。原因は、最強の抗菌剤だったバンコマイシンに耐性を持つ腸球菌だったんです。その腸球菌の市中感染が広がり、感染を防ぐ手段がありませんでした。それをきっかけとして、WHOから世界各国に国家的予防策を準備することが啓蒙されはじめています」

 こう証言するのは城武昇一・ナノカム社長だ。同社は、細菌を増殖させず耐性菌化もさせない抗菌物質をつくる技術を持っているナノバイオベンチャーである。

 感染症予防策に各国が取り組みつつあった矢先に、コロナ感染が世界的流行を見た。そのため市中感染防止の要望が一般的になって、その中で抗菌スプレーなどが人気になっているという。

 その他、コロナ対策以外では最近の“においを嫌う”という一般的な風潮もある。加齢臭、オヤジ臭が目の敵にされたりしている。そういう中で防臭にも効果がある抗菌、除菌関連製品がにおいを避けたい人々にも利用されている。

【抗菌の仕組みの違いに注目】ただし、ひと口に抗菌スプレーといっても、さまざまな種類がある。それぞれで含んでいる抗菌成分が異なるのだ。

 主成分は大別すればアルコール系、塩素系、金属イオン系、抗菌性化学物質などのほか緑茶やヒノキといった自然物質などである。そうした成分がウイルスや菌をやっつける仕組みになっている。製品の成分表示を確認し、成分を知らずに使うのは避けた方がよい。

 消毒といえばすぐアルコールを思い浮かべる。一般的なのがアルコール系でエーザイの「イータック抗菌化スプレーα アルコールタイプ」などが代表格。アルコール除菌スプレーなどの名称で多種が市販されている。

 消毒効果があるのは消毒エタノールであり、一般に使われているアルコール系スプレーは基本的には消毒エタノールにイソプロパノールを加えて薄めたものをスプレーする仕組みである。医薬部外品のアルコールを70%以上含んだものはコロナウイルスに有効と厚生労働省も認めている。

 最近人気なのが次亜塩素酸水除菌スプレーだ。クロッシュの「除菌 消臭スプレー」などが代表格で次亜塩素酸の酸化作用で菌やウイルスを破壊し、強力な除菌が可能とされる。次亜塩素酸は家庭用の塩素系漂白剤などの主成分である。

 ではアルコール系、塩素系以外はどう違うのか。次回は、その他の抗菌スプレーの効果的な使い方を探る。