神田神保町の古書店はなぜ“禁書”に手を出した?

2018年02月22日 09時30分

マニアの間で有名だった湘南堂書店

“禁書”に手を出したワケは? 警視庁少年育成課は20日までに、児童ポルノの写真誌を不特定多数に販売目的で所持した疑いで、東京・神田神保町の古書店「湘南堂書店」の経営者、山田忠容疑者(77)と従業員2人を逮捕した。

 200店近くの古書店がひしめく神保町で、湘南堂書店は目抜き通りの一つである「すずらん通り」に店を構えていた。

 地元住民は「(山田容疑者は)古くからこのかいわいで店を転々としながら商売していた。昔は学術書や歴史書など堅い古書を扱っていた」と話す。

 店頭には一般的な古書が並べられ、神保町でよくある店に見えたというが、約10年前から成人本を取り扱うようになり、店内の半分を占めるようになった。さらに「内緒ね」と“裏”で児童ポルノまで販売し始めたという。

 少年育成課によると、客から1冊1000円程度で仕入れた児童ポルノの古書を7000~29万円の値で販売していた。警視庁が約220冊押収した中には、4歳くらいの女児が写っていた写真誌もあった。昨年1年間で約80冊を販売し、約300万円の売り上げがあったという。

 近年、書店は厳しい経営状況に追い込まれている。ある古書店経営者は「神保町は古書の街といっても、ネット全盛の中で専門、強みがないとやっていけない。(山田容疑者は)投資か何かで失敗したみたいで、お金に困っていたようだが、扱ってはいけない本を販売していたとは」と驚く。

 18歳未満の児童ポルノは2015年から所持・保管も処罰対象となったが、同書店はマニアの間で有名だったという。

 事情通は「児童ポルノ愛好家はネット上で購入、交換するなど収集していたが昨年、警視庁が販売サイトの顧客リストを押収し、芋づる式で摘発しているようにネットは足がつきやすい。その点、書店の方が安心感があり、需要があったのでしょう」と話す。摘発のきっかけはタレコミだったという。