ロシアが2014年に併合したクリミアでスポーツ会議を開催した上で、ジョージア領とされるアブハジアのサッカークラブをロシアリーグに一方的に編入する方針を決定して波紋を呼んでいる。

 ロシアメディア「RBスポーツ」は「ロシア連邦下院の身体文化とスポーツに関する委員会は、クリミアで会議を開く予定だ。ロシア連邦のオデス・バイスルタノフ副大臣は、アブハジア共和国のドジェマル・グバス国家委員会委員長と会談した。サッカー分野での協力や、FNL(ロシア2部リーグ)にアブハジアのサッカーチームを含める可能性について話し合った」と報道した。

 クリミアは本来ウクライナの領土でロシアが一方的に併合しており、現在の侵攻においてもウクライナのゼレンスキー大統領が奪還を目指す方針を示して注目を集めている。そのクリミアでロシアがウクライナを挑発する形で重要な会議を開催する上、さらに今度はジョージアを刺激する動きに出ているのだ。

 アブハジアは米国など国際的にはジョージア領とされるが、ロシア側は親露派による独立を後押ししている。まさにウクライナと同じ構図だ。

 クリミアでのスポーツ会議は近日中に開催される予定で、ロシアがスポーツを政治利用する意図が明らかなため大きな注目を集めそうだ。