沈没したロシアの巡洋艦「モスクワ」がキリストの聖遺物を載せていた可能性があると15日、英メディア「サン」が報じた。

 2020年初頭、ロシアの国営通信社であるタス通信は「匿名の芸術のパトロン」によって「真の十字架」が購入されたと報道。「真の十字架」とは、キリストが処刑された際に用いられた十字架のことを指す。

「聖遺物を黒海艦隊に贈るのは彼らの意志でした。巡洋艦『モスクワ』には礼拝堂があり、そこで礼拝が行われている」と、ロシア正教会のセルギイ・カリュータ大司祭はタス通信に語っている。
 
 スラヴァ級巡洋艦「モスクワ」はロシアの黒海艦隊旗艦を務めていた。首都の名前を冠され、ロシアにとってはまさに象徴的な艦だったが、13日にウクライナ軍の対艦ミサイル攻撃によって沈没したことが確認されている。
 
 聖遺物が実際に「モスクワ」に積まれていたのか、艦と運命を同じくして黒海の下に沈んだのか、詳細はようとして知れない。教会によれば、2022年2月26日の報告書では「遺物は黒海艦隊司令官のオシポフ副提督に引き渡され、まもなく巡洋艦『モスクワ』の元へ渡る」予定だったという。