山本太郎代表率いるれいわ新選組が23日、国会の衆院議員会館で行われたウクライナのゼレンスキー大統領の演説についての談話を発表し、進行内容や当初、本会議場での開催が検討されていたことに疑問を呈した。

 れいわは冒頭、「我々は、軍事侵攻を受ける国の首脳として同大統領が他国に連帯と行動を求めることは当然と理解する。しかし、その要求に対して日本の国会として拙速に反応すべきではないと考える」と挙げた。

 ウクライナのコルスンスキー駐日大使が国会を訪れ、演説開催を要望したのは今月17日。それから6日後の開催は早過ぎるとした。

 さらに事前に演説会の進行表が議員には、配布されていたが、ゼレンスキー大統領がモニターに映った際と演説後に「起立して拍手」と添えられていたことに「演説後にスタンディングオベーション(起立拍手)するよう書かれていた。演説の内容を知る前から反応の仕方まで決められているのは、問題である」とした。

 れいわ側が危惧したのは「衆参両議長を含む全参加者が起立して拍手する場面が、切り取られて放送された場合、外国では、日本がさらなる制裁に向けて足並みをそろえる姿勢と受け止められる可能性もある」と挙げる。

「日本の行うべきは、ロシアとウクライナどちらの側にも立たず、あくまで中立の立場から今回の戦争の即時停戦を呼びかけ和平交渉のテーブルを提供すること」と強調した。

 また、れいわはかねて避難民の受け入れを急ぐべきと提言しているが、周辺国への財政支援や医療物資の提供を訴え、民間の力を活用しての避難民受け入れの拡大を改めて要望した。
 
 演説会には出席すべきでないとの意見もあったというが、れいわからは衆参3人の議員が参加した。

「本会議場ではなく、議員会館会議室で行うという条件を加味しての判断。本会議場で行うなら、日本がゼレンスキー氏に国賓同等のステータスを与えることを意味する。これから停戦交渉を進めていかなければならない状況で、紛争当事国一方の首脳だけを国賓として迎えることの影響を考慮しなければならない。『ゼレンスキー氏の演説を拒絶はしないが、本会議場では行わない』という今回の決定を賢明なものと評価する」とした。