コロナ禍にもう一つの火事場泥棒?マイナンバー通知カード廃止の是非

2020年05月12日 16時00分

 国民総背番号制との批判が多いマイナンバーカードの“強制所持”への動きが進行している。

 国民一人ひとりに割り当てられた12桁の番号が記されたマイナンバー通知カードは、今月25日で廃止となる。今後はICチップ内蔵のカードへの申請手続きが促されている。

 マイナンバー制度は煩雑な行政手続きの簡素化や、給付金の不正受給の防止の効用などがうたわれるが、個人情報の漏洩や国による一元管理が危惧され、導入前から反対が根強かった。そのためカードの普及率も約15%しかなかったが、廃止と聞いて、役所に駆け込む人が増えている。

 さらにコロナ禍による10万円の給付金が、政府にとっては追い風になっている。マイナンバーカード所持者はオンラインで手続きできるとあって、カード申請が相次ぎ、発行まで1~2か月待ちとなる盛況だ。

 通知カードが廃止されることに、元経産省官僚の古賀茂明氏はツイッターで「マイナンバーカード取得の強制と同じ コロナ騒ぎの中でやる?」と“火事場泥棒的”と批判した。

 永田町関係者は「マイナンバーカード導入の最大の狙いは株やFX、仮想通貨の取引、不動産売買などで金の流れを明らかにして、富裕層の課税逃れに目を光らせたい思惑がある。どんな状況になってもマイナンバーカードは持たないと拒絶している富裕層は多いが、今後どうなるか」と話す。

 通知カードの廃止後も住民票があれば、マイナンバーを証明する書類として効力を持たせられる。ただ、再交付や住所・氏名等の変更手続きはできなくなるため、いずれマイナンバーカードを申請するしかない状況になりそうだ。