中国eスポーツの現状 すでに競技人口3億人!国家事業として選手育成も検討

2019年03月14日 17時00分

いまやeスポーツの世界大会は大金が動く

 対戦型コンピューターゲームの腕前を競うeスポーツはゲームかスポーツか、娯楽か競技か、さまざまな論争がある一方、市場や世界大会などの規模が拡大している。日本でも専門学校や大学が育成、大会には芸能プロ、Jリーグなどが参入しているが、中国ではさらに国家事業としての選手育成プログラムが登場。米国に対抗するような盛り上がりを見せているという。

 五輪の正式種目になる、ならないの議論まで起こっているeスポーツ。日本では今月、Jリーグとコナミデジタルエンタテインメントがモバイルゲーム「ウイニングイレブン2019」を使った対抗戦の実施を発表した。7月14、15日に本大会が行われる。

 専門学校や大学がeスポーツの選手育成に取り組み始め、茨城県の公立高校ではeスポーツを正式な部活として採用を検討するなど、広がりをみせている。

 一方、中国ではさらにとんでもない盛り上がりをみせているという。

 中国人ジャーナリストの周来友氏は「中国ではすでに競技人口が3億人前後ともいわれ、国による選手育成まで検討されています。また、eスポーツの専門学校なども中国各地で次々と誕生しています」と語る。

 米国では2014年にイリノイ州の大学が初めてeスポーツチームを組織。奨学金制度を設けて、eスポーツで推薦入学できる大学もある。これに負けじと中国も選手育成に本腰を入れ始めたといえそうだ。

 中国メディアによると、山東省済南市にはeスポーツをテーマにしたホテルも開業した。客室は2人部屋、3人部屋、5人部屋があり、各部屋にはベッドや浴室の他、最新のゲーム用パソコンが完備され、思う存分ゲームに没頭できるという。

 中国でもeスポーツの国際大会などが多く開催されるようになり、莫大な賞金を手にするプレーヤーが出現。このため、中国では“eスポーツドリーム”という言葉も生まれたという。

「eスポーツプレーヤーの若者が急増したため、eスポーツの練習に特化したホテルをオープンしたといいます。ホテル関係者によると、このホテルは平日・休日を問わず稼働率は常に7割以上。若いサラリーマンや大学生を中心に人気を集めています」(周氏)

 一方、eスポーツの発展とともに、中国ではネットゲームの中毒者が増え「ネトゲ廃人」となる若者も少なくない。

 WHO(世界保健機関)が昨年、新たな疾病として「ゲームが日常生活での最優先事項となった結果、社会生活に深刻な問題を抱えた状況が、長期間にわたり継続する症状」を「ゲーム障害」と認定。今年5月のWHO総会で採択が予定されている。

 日本の厚生労働省もこれを受け、初の実態調査に乗り出すことを今年初めに発表したが「中国政府はeスポーツを健康的に健全に発展させていかなければいけないとの通達を出しています」と周氏は語る。

 世界大会クラスの優勝賞金は昨年、カナダで開催された大会での12億円が史上最高額と話題になるなど、規模は拡大を続けている。人口約14億人もいる中国だけに、本気になればeスポーツ大国となりそうだ。