日本代表FW浅野拓磨(26)のセルビア1部パルチザン電撃退団に新たな理由が浮上した。クラブ側の給与の未払いなどを不服として自身のSNSでシーズン途中での退団を表明していたが、中東クラブが絡んだ事情もあったというのだ。

 セルビアメディア「レプブリカ」は、退団の真の理由は中東クラブへの売却を勝手に決めたクラブへの怒りだったと報じた。そもそも浅野がセルビアへやって来たのは、そこで活躍して欧州5大リーグ復帰を視野に入れていたから。フランスやドイツなどのクラブからもオファーはあったが、UAEのクラブが提示した500万ユーロ(約6億5000万円)には程遠かったため、経営難のパルチザン側が飛びついたという構図だ。

 かねて浅野とパルチザンは500万ユーロ以上のオファーなら迅速に受け入れるという紳士協定を結んでいたという。しかし、どうしても中東行きに納得できないストライカーは、それを拒否して退団という行動に出たわけだ。クラブ側の立場としては納得できないのは明らかで給料遅配の落ち度があるとしても合意事項があっただけに、300万ユーロ(約4億円)を要求し、法廷闘争を仕掛けたとも考えられる。

 すでに浅野はフリーの身として新天地探しに着手。スペイン、フランス、ドイツなどの複数クラブが興味を示しているが、本来入るはずだった収入を失ったパルチザンの新たな妨害措置もあり得る。両者の意向が真っ向から対立しており、円満解決は難しいそうなだけに、やはり法廷で決着するしかないのか。