窮地の森保ジャパンを救うのは〝ドリブル王子〟だ。日本代表は11月のカタールW杯アジア最終予選でベトナム戦(11日)とオマーン戦(16日)のアウェー2連戦に臨むが、MF久保建英(マジョルカ)やFW大迫勇也(神戸)など負傷者が続出。大ピンチを迎える中、元日本代表MFで本紙評論家の前園真聖氏(47)はMF三笘薫(24=サンジロワーズ)を攻撃陣の救世主に指名した。

 ただでさえ森保ジャパンは決定力不足を抱える中、久保とMF堂安律(PSVアイントホーフェン)がともにヒザの負傷で10月シリーズを欠場し、11月も招集できない見通し。さらに大迫が負傷のため欠場が続いており、MF伊東純也(ゲンク)までもが24日のヘント戦でヒザの痛みで途中交代。攻撃陣が〝野戦病院〟と化している。

 27日にオンラインで取材に応じた日本代表の森保一監督は「経過、回復はメディカルスタッフが連絡を取って報告を聞いている。大迫はリハビリは順調に進んできていると聞いているが、まだプレーはできていないので、これからの出場状況を見ながら。伊東に関してはヒザに違和感があると聞いているが、おそらく大丈夫だろうと報告を受けている」と説明した。

 2人とも森保ジャパンの攻撃の中心だけに、招集できなければ11月の最終予選は絶望的な状況になる。まさに窮地だが、前園氏は救世主として絶好調の三笘のA代表初招集に期待を寄せる。

「海外に行って最初はスタメンで出られませんでしたが、16日のセラン戦でハットトリックを決めて、その後のオイペン戦では先発して得点に絡みました。海外でもまれてドリブルで仕掛けるプレーも出ているし、今は自信を持ってプレーできています。代表にはクラブで状態の良い選手を呼ぶべきですし、このタイミングで呼んでほしいです」と猛プッシュ。セラン戦では途中出場ながらキレキレのドリブルで怒とうの3ゴールを決めて一躍ヒーローになった。最も旬なストライカーだけに、11月は絶対に必要な戦力になるとの見方だ。

 ただ、招集したとしても森保監督は序列を重視して新戦力はすぐに起用しない傾向がある。それでも前園氏は「ベトナムやオマーンは簡単に勝てる相手ではありません。サイドから個ではがして数的優位を作れ、局面を打開でき、ボックス内でPKも取れる三笘はファーストチョイスでもいいと思います」と初招集でも即スタメン起用を〝進言〟した。

 森保監督は新戦力について「絶対的な力を見せてくれる選手、将来日本の力になる選手に、どうやってチームに来てもらうか。これまで招集経験がない選手も招集してという思いはある」との方針を示す中、日本屈指のドリブラーに注目が集まる。