【惨敗ザックジャパン 崩壊の裏側(2)】日本代表は屈辱の1次リーグ敗退でブラジルW杯を去ることになった。その要因の一つは、チーム内の団結力を欠いたことにある。大会前の米国合宿中にはその引き金となった、ある“事件”が発生。主力選手たちが金髪美女と撮った写真が出回り、一部選手たちの反感を買っていたのだ。連載2回目はチームを分裂させた“写真流出”の一部始終を公開する――。

 今大会に臨んだ代表チーム内にはいくつかのグループがあった。FW本田圭佑(28=ACミラン)、DF長友佑都(27=インテル)、FW岡崎慎司(28=マインツ)の北京五輪組、FW大久保嘉人(32=川崎)が中心でFW香川真司(25=マンチェスター・ユナイテッド)、FW清武弘嗣(24=ニュルンベルク)らと形成した元C大阪組、GK川島永嗣(31=スタンダール)をリーダーとした“散歩隊”など。そのため、全員参加の選手ミーティングもほとんど行われず、イレブンが一枚岩になれなかったことがピッチ上にも悪影響を及ぼした。

 そうしたなか、チーム内に溝を生む、何とも妙な“事件”が…。「遊びに来てんのか、という感じになりますよね」と代表選手の一人がこぼすのは、ブラジル入り前に米フロリダ州タンパで行われた合宿中に起きた出来事だ。

 代表チームが宿泊したのは、高級リゾート地クリアウオータービーチの一等地にある5つ星ホテル。目の前に全米屈指の美しい砂浜が広がっており、一日中多くの観光客でにぎわっていた。

 大半の選手が気分転換も兼ねて砂浜に散歩に出かけたのだが、そこで数人の選手が金髪とラテン系のビキニ美女2人組と記念写真をパチリ。もちろん、それ自体は何の問題もない。ただ、撮影した選手の中に普段は周囲に厳しい態度で接するAとBもおり、しかも、美女たちと必要以上に密着してデレデレした表情を浮かべている写真がSNS上に出回ってしまった。

 これを目の当たりにした一部の選手からは非難ごうごう。大事な大会を前に「緩みすぎ」と言われても仕方のないところだ。しかも、その選手が日本ではめったに写真撮影に応じないことや、美女とお近づきになれなかった“ねたみ”も火に油を注ぎ、選手の間で不穏なムードが漂った。

 表面上はまとまっているように見えた代表チームだが、こうした小さな出来事が積もり積もって選手同士の間で不満が募っていった。一度歯車がかみ合わなくなると、もともと団結力が弱かっただけに、一気にチームは崩壊へと向かった――。(続く)