立川競輪場で「東京スポーツ杯」が10~12日の日程で開催される。デビュー戦の賞金を全額寄付して話題になった異色の新人・新村穣(27=神奈川)が思い出のバンクに帰ってきた。

「法大時代の4年間。朝練で通ってました。寮が国立にあったんですよ」

 立川の400バンクを眺め地獄の日々を思い出す。「3時半に起きて、4時に先輩を起こす。4時半にバンクに来て5時から周回練習を始めるんです」。夏、冬関係なく。バンクにたたずみ、悄然として「眠ったまま練習してたのかも…」と、当時を振り返っていた。

 朝練後は「終わって寮に帰ってから、都内のキャンバスに行って勉強です」。過酷な生活だったが「寺崎(浩平、27=福井)らと競い合ってやってました」と笑う。

 寺崎は1期上の117期の早期卒業生として早くに上位で活躍している。新村も119期のチャレンジ卒業一番乗りを果たすなど、スピード感のある出世道を進んでいる。

 今回は「師匠(小原大樹、33=神奈川)の自転車に乗らせてもらっているんですが、ヘタってきたようで3場所くらい前から自転車が進まなくなった。また師匠からのお下がりなんですが」と自転車を替えて挑む。

 初日は予選9Rに出走。体が覚えている走路で激走必至だ。