【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】武器封印に師匠が寄せるスタート巧者の弟子への期待

2019年01月23日 11時00分

竹井(左)と桂林

【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】師弟、プロペラグループ、同期・同支部、親子、兄弟姉妹…。ボートレース界のさまざまな人間関係をクローズアップしていく好評企画「レーサーズ~仲間たちの絆~」。第10回となる今回は、福岡支部の桂林寛(47)と今年1月から初のA1級に昇格した竹井貴史(27)の師弟コンビだ。

 念願であった自身初のA1昇格について、竹井は「やっとですよ」とポツリとこぼした。「2年くらい前に1回、勝率がA1ボーダー付近まできてA1になれそうだったけど、そこでフライングをしてしまい、結局なれなかった。そこからが長かったです。ようやくA1になれてホッとしています」

 竹井は姉・奈美とともに姉弟レーサーとして注目を集めていて、111期の中で出世頭でもあり期待された存在だった。ボートレーサー養成所での勝率は7・07でリーグ戦勝率は第2位。デビュー期には4勝を挙げ、予選突破も果たした。ただ、その後は度重なるF禍で苦しんだ。

 デビューから竹井を見守ってきた師匠・桂林は「貴史はボートレーサー養成所時代から、訓練に集中して好成績を残してきたし、デビュー当時からセンスがある子でした」と評価する。

「もともとS力もあったし、本人も『勝たなくてはいけない』という意識が強かったのかもしれない。だけどSに頼ってFというのが多かった。貴史の場合は、そこの精神的な部分だけで、もっと早くA1級に上がれたかもしれない。今はSに頼り過ぎてしまっている。本人にも『互角のSで勝たないといけない』と言っていますが…」とS勝負一本やりの戦い方に苦言を呈す。

 この師匠の忠告に竹井は「最近は意識しています。Sで遅れたからといって負けると思わずに、どうやって展開を突くか、と考えを切り替えています。今はコンマ10~15くらいを全速で安定したSを行くことを心がけています」と意識改革を実践、さらなる進化を目指している。

 来月9日には竹井にとって2度目のGⅠとなる芦屋の「第65回九州地区選手権」が控えている。「記念を走る中で勉強して、もっと上を目指さないといけない。もうひとつ上の舞台ではワクワクするようなレースが残っているんだから」と桂林がさらなる飛躍へエールを送る。

 竹井も「やっとここからが勝負です。ゆくゆくは記念、SGも取りたいけど、まずは今回の地区選で結果を出したい」と気合が入る。

 多くを語らず大切なことだけ助言する師匠は、素直に受け止め着実に力をつけている弟子の成長が楽しみなようだ。

☆たけい・たかし=1991年7月3日生まれ。福岡支部の111期生。2012年11月の若松でデビュー。13年1月の若松で初勝利。16年11月の若松で初優勝を飾った。通算2V。同期は島田なぎさ、堀本和也、安河内将、高倉和士、中村晃朋、大豆生田蒼ら。身長170センチ、血液型=AB。

☆かつらばやし・ひろし=1971年7月10日生まれ。福岡支部の75期生。94年11月の若松でデビュー、翌月の芦屋で初勝利。98年9月の江戸川で初優勝。通算28V。同期は岡本猛、上平真二、林美憲、徳増秀樹ら。身長166センチ、血液型=A。