英王室は8日、エリザベス女王が滞在先の英北部スコットランド・バルモラル城で死去したことを明らかにした。96歳だった。死因は公表されていないが、「安らかに息を引き取った」という。在位70年と約7か月。国を揺るがす訃報に、同国の著名ミュージシャンも続々と悲しみのツイートを発した。
女王は6日、バルモラル城でトラス新首相を任命したばかりだった。8日、医師の管理下にあることが王室から発表されていた。死去を受けて息子のチャールズ皇太子が新国王・チャールズ3世として即位した。
女王は26年、後の国王ジョージ6世の長女としてロンドンで生まれた。47年にフィリップ殿下と結婚、後に3男1女が誕生した。52年2月、ジョージ6世の病死に伴い25歳で即位した。2007年12月に英史上最高齢の君主となり、15年9月に在位期間が歴代君主で最長となった。
1990年代には故ダイアナ元皇太子妃の離婚や事故死で、王室は廃止論が浮上するほどの危機に見舞われたが、伝統を堅持しつつ身近な王室を目指した改革を進めた。
女王の死に、大衆紙・サンは電子版の画面を黒く埋め、白抜きで「グッドナイト、マァム」と伝えた。デイリー・ミラー電子版は「サンキュー・マァム」。他紙も含め、長きにわたる在位、自国と世界が悲しみに暮れるとした。
英国を代表するアーティストもツイッターでメッセージを送った。エルトン・ジョンは「国民とともに私は深く悲しんでいる。女王は周囲にいる者を鼓舞する存在で、その優雅さ、品位、純粋な温かい気配りをもって国の偉大な瞬間、暗黒の瞬間を通じて国を導いてきた。子供の頃から現在に至るまで、私の人生の大きな部分だった」と胸中を伝えた。
「サー」の称号を持つ元ビートルズのポール・マッカートニーは「女王エリザベス2世に神の御恵みがありますように。安らかにお休みされますように」と願った。ローリング・ストーンズは「メンバーたちが王室への深い弔意を広げている。女王は、王室、そして数えきれない人々にとって、常に存在している人でした」と発した。
在位末期の20年には新型コロナウイルスが世界を襲った。女王は同年4月、「ステイホーム」を強いられた国民へのメッセージで「また会いましょう」と述べた。この言葉は国民的歌手ベラ・リン(20年に103歳で死去)の「We,ll Meet Again」に由来し、女王のメッセージで同曲が再ヒットする現象も呼んだ。
21年4月には99歳だったフィリップ殿下を亡くした。今年は2月に在位70年を迎え、6月には祝賀行事が行われた。この間、自身もコロナに感染した。
75年には来日。東京会館で開かれた歓迎午餐会で「牛フィレ肉のフォワ・グラ詰めパイ包み焼きプリンスアルベール風」が供されたことが伝えられている。
チャールズ新国王の妻カミラ夫人について、女王は2月、新国王の下では「クイーン(王妃)」と呼ぶよう国民に呼びかけた。皇太子時代、夫人との不倫から離婚となったダイアナ元妃が不慮の死を遂げたこともあり、夫人や夫妻のイメージはいまだ良くない。
亡き女王の意向を国民は受け入れるか…。












