前宮崎県知事の東国原英夫氏(64)が12月の宮崎県知事選への出馬を表明。故郷・宮崎県をこよなく愛するからこそ譲れない宮城県との混同問題が行動の原動力にあった。

 東国原氏は2007年に県知事に就任し、「宮崎のトップセールスマン」として、県産物や宮崎のPRに尽力し、「どげんかせんといかん」は流行語大賞にも輝いた。1期4年で退任し、当時副知事だった河野俊嗣氏(57)が知事を務めている中、東国原氏は17日会見し、「シン・どげんかせんといかん」のキャッチコピーを携え、再び知事選に挑む。

 東国原氏が嘆くのは、宮崎が疲弊していることだけでなく、知名度が著しく低下していることだ。中でも「宮崎」と「宮城」が勘違いされることに「あるあるで、すごくショックなんですよ。故郷が全国に知れ渡っていない。絶対に有名にしてやる」と意気込んだ。

 今年4月に行われた米ゴルフのマスターズ・トーナメントの歴代覇者の夕食会でディフェンディングチャンピオンの松山英樹に宮崎牛を振る舞ったが、これが民放番組で「宮城牛」と間違って紹介されたことに触れ、東国原氏は「福岡と福島を間違えますか? 東京と京都を間違えますか? 宮崎のプレゼンス(存在感)が下がっているから」と指摘する。

 この問題は宮崎出身で、元埼玉・戸田市議のスーパークレイジー君(35)も20歳で上京した時に直面したものの、東国原氏が宮崎の知名度を上げたことで一時的に解消されていたとを明かしていた。宮崎県出身者は「宮崎弁のなまりが、東北と似ているからか、宮崎出身と言っても、宮城と聞き間違われることがあるが、怒りまでは感じない。東国原さんは我慢ならないんでしょうね」と話す。

 東国原氏は自身が知事だった当時の熱狂を振り返り「もう1回、2008年くらいに注目される。(知名度が上がれば)すべての政策につながる」と力説。そのために自身の活動だけでなく、インフルエンサーへの呼びかけ、熊本県のゆるキャラ「くまもん」をオレンジ色に染めた「みやもん」なるキャラの新設、かつて人気を誇ったテレビ番組「風雲!たけし城」を模した遊び場の提供などアイデアは湯水のごとく出ている。

 再び知事の座にカムバックし、宮崎と宮城を間違われないほどの知名度に押し上げることができるのか――。