菅義偉首相(72)の不出馬表明で大混戦が予想される自民党総裁選(17日告示、29日投開票)で、高市早苗元総務相(60)が5日、推薦人20人の確保のメドが立ち、立候補する意向を固めた。

 総裁選に女性が立候補するのは2008年の小池百合子東京都知事(69)以来。時の権力者に寄り添う姿勢も小池氏とかぶってくるが…。

 菅首相の退陣意向前から総裁選への立候補に意欲をのぞかせていた高市氏。岸田氏に続き、正式表明の運びとなったのは安倍晋三前首相(66)が支援を表明したことが大きい。

 安倍氏は党内最大派閥・細田派の事実上のオーナーで、党内での影響力はいまだ絶大。その安倍氏がGOサインを出したことで、総裁選立候補に最大のハードルだった20人の味方を集めた。

 高市氏は自由党、新進党と渡り歩き、自民党入り。初入閣したの第1次安倍政権で、沖縄・北方担当相に起用された。

「高市氏はかねて安倍応援団を自任し、現在、群馬県知事の山本一太氏とともに〝安倍親衛隊〟を結成。安倍氏は保守系で、政治信条も近いことから高市氏はお気に入りで、2次政権でも総務大臣や党幹部で重用した」(党関係者)

 女性初の総裁選チャレンジとなった小池氏は、小沢一郎氏、細川護熙氏、小泉純一郎氏、二階俊博氏など〝時の権力者〟を味方につけ、政界を生き抜いているが、高市氏の場合は〝安倍一筋〟ということか?

 安倍氏のアシストを得た形で、総裁選出馬となり、女性初の首相の座を射止める可能性はあるのか?

「安倍氏や保守界わいから人気の高い高市氏だが、党内支持は限定的。党員投票もあるが、一般世論に近い党員の間でも知名度はまだまだ」(同関係者)

〝安倍印〟を武器に、どこまで支持を広げられるかが課題となりそうだ。