名古屋市の河村たかし市長(72)が、東京五輪ソフトボール日本代表・後藤希友選手(20=トヨタ自動車)の金メダルを本人の了解を得ることなくかじった問題で、ネット上は「なぜ名古屋市民はこんな人を当選させたんだ?」という疑問の声であふれている。

 河村市長は5日夕、「あこがれの金メダルが目の前にあり、とっさの行動だった。長年の努力の結晶を汚す行為。心からおわびします」と謝罪したが、批判の声は全くやまない。

 それどころか、ネット上では批判の矛先が河村市長を選挙で当選させた有権者にも向き始め、「なんで河村市長に投票したの?」「選んだ名古屋市民も悪い」「河村に投票した名古屋市民は全員同罪」などという書き込みが見られた。一方で、「名古屋市民は被害者」「こんなのが市長で名古屋市民がかわいそう」という同情の声も寄せられた。

 ある政界関係者は「有権者も投票する時には、まさか金メダルをかじるなんて思ってないから批判されるのは気の毒。でも愛知県では、4年前に似たようなケースがあったからね」と苦い顔で指摘する。

 4年前のケースとは、衆院総選挙に愛知7区(瀬戸市、大府市など)で当選した山尾志桜里衆院議員だ。山尾氏は選挙直前、倉持麟太郎弁護士との不倫を報じられたため民進党を離党し、無所属で出馬。苦戦が予想されたが、大接戦の末に当選した。

「その後、立憲民主党に入党したが離党して、国民民主党に入党した。次期衆院選には出馬しない意向を示したが、倉持氏との関係は続いているうえ、倉持氏の妻は昨年、自殺したと報じられた。こちらもネット上では『愛知の有権者は、何で山尾氏に投票したんだ?』という疑問の声も出ていた」(同)

 政治家も有権者も「一寸先は闇」ということか。