“紀州のドン・ファン”こと、和歌山県の資産家・野崎幸助さんの不審死事件にかかわっているとみられる捜査員が、捜査のための東京出張時に逮捕されていた。

 警視庁は29日までに、面識のない女性を転倒させたとして、傷害容疑で和歌山県警捜査1課巡査部長の讃岐真生容疑者(35)を逮捕した。同庁は東京都迷惑防止条例違反の疑いでも調べを進めている。

 逮捕容疑は4月18日午後9時半ごろ、大田区の京浜急行天空橋駅近くで、女性ともみ合いになって転倒させ、すり傷を負わせた疑い。駅のエスカレーターで女性が盗撮されたと訴え、トラブルになった。同容疑者は事件後にその場を立ち去っていた。さらに取り調べでは「女性を盗撮しようとしたことに気づかれトラブルになった」と供述している。事件当時は勤務時間外で酒を飲んでいたという。

 野崎さんの事件では、元妻の須藤早貴被告(25)が4月28日に逮捕されたが、その直前に捜査員が不祥事を起こしていたということであれば、あきれるしかない。

 同容疑者が東京出張に来ていたのは「須藤被告と野崎さんを引き合わせた人物に話を聞くためだった」(捜査関係者)とのことで、重要な任務を負っていたという。犯罪を起こし現場を立ち去る人間が捜査にかかわっているとなれば、証拠の信ぴょう性にもケチが付きかねない。

 そもそも、野崎さんの事件の捜査においても和歌山県警の“ずさんさ”が本紙の取材で明らかになっている。
 野崎さん宅の家宅捜索の際、野崎さんと昵懇の仲だったAさんが現場にいるのを見て、捜査員の一人がAさんの腕をつかんで外に出すなどした。Aさんが「暴行ですよ」と訴えると、捜査員は「誰がそれを証明するんですか?」と“もみ消し”をにおわせ、脅していたという。

 また、在阪テレビ関係者は「讃岐容疑者が関係者の事情聴取にあたる際にも、上から目線で、さも“応じるのが当たり前”という感じで、仕事ができる捜査員という感じはしなかったそうです」と語る。あまりにもお粗末すぎる。