歌手生活50周年の記念イヤーを迎える歌手の和田アキ子(67)が先日、アルバムをリリースするなどの“50周年プロジェクト”を発表した。それ以外にも50周年を彩るさまざまな計画もあり、イベントやテレビ、ラジオなどへの出演が企画されているが、一つだけオファーを“拒否”しているものがある。それがNHKの番組出演だというのだ。

 1968年10月にデビューした和田は、10月から50周年イヤーに突入する。節目の年に和田は、ベストアルバムの発売やツアーなども計画している。

 音楽関係者は「今年の4月クールには、TBS系のドラマ『小さな巨人』に和田さんが出演し『27年ぶりの民放ドラマ出演』と話題になりましたが、あくまでこれは50周年への序章。50周年イヤーとなる10月以降は歌だけでなく、イベントやテレビ、ラジオ出演を含めて、さまざまな展開を見せて盛り上げていく方向のようです」と明かす。

“芸能界のご意見番”と言われる和田だけに、イベントやメディアへの露出が増えれば、その一挙手一投足に注目が集まることになりそうだ。

 そんな多様なメディア展開が計画されているにもかかわらず、なぜかNHKからの番組出演オファーには、かたくなに首を縦に振らないという。

「和田さんは日曜日の昼、20年以上も続く長寿番組『アッコにおまかせ!』(TBS系)をやっているので、同じ時間帯の『のど自慢』には出演できないとしても、いまのNHKはBS放送も合わせると、かなり多くの歌番組を持っている。もちろん和田さんのところにもオファーはいっているんですが、和田さんサイドはかたくなに受けない。番組スタッフは頭を抱えていましたね」(同)

 そこまで和田を頑固にさせているのは、昨年の紅白歌合戦だ。出場39回を数える和田が落選という憂き目に遭った。落選が決まった際、和田は書面で「40回という節目でもありましたので、正直悔しい気持ちもあります」とコメントを発表するなど、無念の気持ちをにじませていた。

 芸能プロ関係者は「確かに最近はこれというヒット曲もないのに、毎年紅白に出場していたことに批判的な見方はあったが、それでも39回も出場した和田は紅白の歴史を作ってきた功労者と言える。落選させるにしても最後に卒業という形にして花道を作ってあげるとか、紅白側にそれなりの配慮があってしかるべきだったのでは」と指摘した。

 ここ数年、紅白からは北島三郎(80)や森進一(69)、細川たかし(67)などが“卒業”という形で出場しなくなっている。また過去には常連だった美川憲一(71)も2009年を最後に出場していない。小林幸子(63)もスキャンダルの影響で12年に落選。15年には特別枠で出場を果たしたが、まだ正式な“出場歌手”としての復帰はかなっていない。

 そういった意味では、紅白に関して悔しい思いをしてきたのは決して和田だけではないだろう。
「たとえ紅白に出場できなくなったとしても、NHKの番組への出演オファーが届けば受ける歌手の方が圧倒的に多い。紅白出場への条件の一つに“NHKへの貢献度”というものがあるから、特に紅白復帰を目指している歌手は喜んで出演するのが普通。それでも和田は態度を変えない」(同)

 歌手生活50年の足跡をたどると、紅白をはじめとするNHKでの活動は、和田にとってかなり大きなウエートを占めるのは間違いない。それでも50周年イヤーにNHKの出演オファーを受けられないほど、紅白落選の悔しさは大きかったようだ。