【コロナ禍のアイドル活動座談会=3】アイドルグループ「SKE48」の江籠裕奈(21)、水野愛理(19)、藤本冬香(23)、西井美桜(20)と高須クリニック名古屋院の高須幹弥院長(46)による座談会3回目は「激変したアイドルの現場」がテーマ。コロナ禍の影響でステージに立つ機会は減り、握手会やファンのコールもなくなってしまった。それでもメンバーたちは「マイナスをワクワクに変えていきたい」と前を向いている。


 高須 コロナ禍になって約2年。この間にアイドル界でもいろいろと変わってしまったことがありました。

 水野 48グループは「会いに行けるアイドル」なので、握手会を大切にしていました。ファンの方との距離が近いのが48グループのいいところだと思う。だからこそ(コロナ禍で)握手会ができなくなっているのは、すごく残念なことだと思います。ファンの方と会える機会が本当になかったので…。配信などでこちらから話をすることはできるけど、直接話をする機会が減ったのはさびしかったですね。お互いの思いを直接伝えられる機会が大事だと思う。今でもまだ握手会はできてないので…。

 高須 10期生の子たちはSKEに入ってから約2年たちますが、まだ握手会を経験していないんですよね。

 西井 はい。48グループは握手会のイメージがあったので、握手会ができないのはさびしいです。

 高須 コンサートの観客制限などは緩和される方向になっていますが、握手会となるとなかなか厳しいですよね。日本は感染者数も落ち着いているし、重症者の割合も減っている(注・この座談会が行われたのは昨年12月)。やっぱりワクチンの効果が大きいんだと思います。ただ、ヨーロッパやアメリカでは感染者がまた多くなっています。ワクチンを2回打っていても、世界では広まってますからね。

 西井 10期生はまだ劇場公演でファンの方のコールを聞いたことがないんです。(先輩たちから)コールがあると全然違うと聞きます。声援があると力が湧いてくると…。10期生の間でも「早くコールが聞けるようになるといいね」という話をよくしています。

 高須 僕も劇場やコンサート会場でファンの人たちのコールを聞くと、興奮するんです。ヲタたちのあの熱さがいい。一生懸命、メンバーに愛を届けようとする。

 水野 コールもそうなんですけど、MCも笑ってくれたり、相づちを打ってくれたりするのがないと、結構大変です。MCでもファンの方に助けられていたんだなと改めて気づきました。

 高須 本当にそうなんですよ。MCも「(水野)愛理が一番かわいいよー!」というファンの人たちの声があってこそ盛り上がるんですよ。外国のスポーツイベントなんかを見ていると、ガンガン声を出してますけど、日本だとまだ難しいかもしれないですね。

 藤本 私たち9期生はSKEに入ってから3年がたちました。最初の1年間は普通に活動ができましたが、2年目からコロナ禍の影響で劇場公演がなくなったり、復活してもステージに立つのが16人から8人(現在は12人)になってしまいました。今は正規メンバーに昇格しましたが、研究生だったころはアンダー(研究生が正規メンバーの代わりに公演に出演すること)がなくなり、お仕事がなくって…。あのころは、お仕事もしていないのに(SKE48に)ずっといていいのかな?って思いました。

 江籠 研究生にとってアンダーは先輩からいろいろ教わることもできるし、先輩と一緒に公演に出ることで新しくいろんな人に見つけてもらうチャンスでもあるんですよ。

 高須 アンダーがないのはつらいですよね。いろいろな経験ができなくなってしまう。

 江籠 コロナ禍で、できなくなったこともたくさんありました。だけど、当たり前だったことができなくなったことで、配信イベントや年末に行ったユニット公演など新たに始めたこともあります。今まで通りのことができなくても、ファンの方を楽しませられるように工夫し続けるSKE48でありたい。マイナスにとらえるばかりじゃなくてその分、ワクワクに変えられたらと思いますね。