自民党比例代表でスピード当選したアイドルグループ「SPEED」の今井絵理子氏(32)に大きな期待がかけられている。後見人である山東昭子参院議員(74)のあとを継ぐことだ。

 山東氏といえば、今では派閥の領袖を務め、過去には科学技術庁長官として入閣し、参議院副議長を務めた大物。経歴も今井氏とそっくりだ。

 知名度を生かして午後8時9分にNHKで当確が打たれると、支持者から大拍手が起きた。感激する今井氏を頼もしげに見つめる山東氏の姿がそばにあった。今井氏は「山東先生は私にとって尊敬する先生です。私がなぜ政治を志し、足を踏み入れたか。すべてのきっかけは山東先生。山東先生がいなければ私はここに立っていません。本当にありがとうございました」と最上級の言葉で感謝の気持ちを表した。

 2人の出会いは7年前。今井氏は聴覚障害の長男、礼夢君(11)を通し、聴覚障害者の支援活動に参加。聴覚障害者団体をやっていた山東氏と知り合った。山東氏は今井氏と交流をする中である思いを強くしていった。

 後援会関係者は「山東さんは次の選挙は出ないで引退する意向。これまで自分がやってきたことを誰かに引き継いでもらいたいと思っていたところに今井さんが現れた。山東さんも芸能界から32歳で政治家になった。自分の姿を重ね合わせている」と明かした。

 山東氏は今井氏の12歳より早い11歳で芸能界入り。10代で女優として活躍し、クイズ番組でも有名になった。若くして歌手としてトップスターになった今井氏にはシンパシーを感じている。

 山東氏は「初当選のとき、田中角栄先生のところにおうかがいしたら『おめでとう。自分の当選よりうれしいよ』と言われた。その言葉が私の胸に焼き付けられています」と田中氏の名前を出して祝った。

 これから山東氏からみっちりと薫陶を受け、30~40年後には今井派が誕生しているかも。