米国の小説家H・P・ラブクラフトによって著された小説をもとにまとめられた神話体系である「クトゥルフ神話」はあまりに有名である。

 太古の地球を支配していたのは、宇宙から飛来した邪悪で強大な力を持つ異形の存在であったという設定で、それを体系化した現代の神話として世界中で広く愛され、かつ恐れられている。

 クトゥルフ神話に出てくる邪神はコウモリのような翼と鋭い牙や爪を持っているが、基本的な部分は海産物などに見られる軟体動物のような容姿をしている。

 そこにはラブクラフトが掲げていた”宇宙的恐怖“というコンセプト、そして無機質な存在の恐ろしさが表れている。絶対的な力を持つ者にとって人間の希望なんかは価値を持たないというのである。

 創作だと分かっていても、見る人を戦慄させるような奇妙で恐ろしい神々のデザインはインパクトがあり、漫画やアニメ、ゲームなどでも題材にされてコアなファンを獲得している。

 もし、クトゥルフ神話に出てくるような奇妙な生物がこの現代に発見されたとしたら、皆さんはどう思うだろうか。

 この写真は「クトゥルフタートル」と呼ばれている謎の亀を撮ったものだ。「タートル」にちなんだのか、筆者が代表を務める「山口敏太郎タートルカンパニー」に紹介されたものである。

 カミツキガメのようなガッシリとした体だが、一見して分かる通り亀の頭部がイカに似た形状である。正確に言えばイカの目と足と口の辺りが亀の頭になっているという感じだ。この見た目であれば「クトゥルフタートル」と名付けたくなる気持ちも理解できる。

 また、クトゥルフの邪神を説明する際に”タコのような“と言われることが多いが、このクトゥルフタートルは顔にあたる部分が細長く、眼部がサイドに分かれてついているところからイカに近いと判断した。

 写真を紹介してくれた人は50年以上前に撮影されたと説明したが、それ以上の情報は何もなく、場所も撮影者もよく分かっていない。

 残念なことに、この写真自体はフェイクの可能性が高いと指摘するしかないだろう。背景や人間、そして亀の体に対して、イカの頭部が鮮明である。やや古ぼけていないのだ。亀とイカを巧妙に組み合わせたユーモアあふれる写真に見えてしまう。

 亀そのものは信仰の対象となる神聖な生物でもある。四聖獣には玄武がいて、古代インドでは世界を支える亀がいて、おとぎ話の「浦島太郎」では主人公を運ぶ重要な役割を持ち、亀が宇宙船だったという都市伝説もある。長寿の象徴であったりもして、日本ではおめでたい存在として認識されている。

 不思議な存在とされているのには様々に理由があり、ひょっとしたら写真のような不思議な生物が存在した可能性も否定しきれない。クトゥルフ神話の神が実在したのだとしたら、それこそ人類は危機に瀕する、などと考えてしまう。