未確認生物の中には、伝説上の生物のように思われていたものや、幻獣のような特徴を持つものも少なくない。以前紹介した「ストーシー」なども現地で「封印された妖怪」として長く語り継がれていたものだった。そんな幻獣のような生物が実際に存在していたというような目撃証言が近年になって出てきたり、時には写真に撮られる事例すら報告されている。伝説と現実の境目に位置しているような生物は今も多いのだ。

 アフリカに生息しているとされる「グローツラング」もその一つといえるだろう。

 南アフリカ共和国北ケープ地方の荒野地帯、リスタフェルトと呼ばれる地域にある洞窟内にすんでいるとされている。非常に巨大で、大蛇の体にゾウに似た頭がついているとも、牙の多いゾウに似た生物で、ヘビのような尾を持っているとも言われている。

 怪力を誇る非常に狂暴な生物で、リスタフェルト地域の砂漠のどこかに存在する「底なしの洞窟」に潜み、ダイヤモンドの鉱脈を守っていると噂されていた。夜行性で、夜になると獲物を誘い寄せ、洞穴の中に引きずり込んで食べるとされている。

 伝説上の生物にも思えるが、実際にこの生物のいる底なしの洞窟に挑んだ探検家が20世紀に存在している。

 特にピーター・グレイソンによる探検が有名で、彼は小隊を率いて場所も定かではない底なしの洞窟を探しに出かけ、ライオンや毒ヘビで仲間を失いながら洞窟にたどり着いた。しかし、彼は一人洞窟の中に進んで行ったきり帰ってくることはなく、グローツラングに食べられてしまったのではないかとささやかれているという。

 洞窟で宝石を守る狂暴な生物ということで、グローツラングの話は欧州のドラゴンにまつわる伝説が下敷きになっているのではないかとみられている。また、生物の外見についてもニシキヘビなどの巨大な生物の話が誇張を含めて伝わった結果ではないかと考えられる。

 しかし、伝説上の存在でしかないと思われていたグローツラングだが、近年の報告で1メートルもの巨大な謎の生物の足跡が発見されたというものがあった。足跡は川の水辺で途切れていたとされており、もしかすると我々の知らない巨大な生物がどこかにすんでいるかもしれないのだ。