小笠原諸島(東京都小笠原村)が、米国から日本に返還されて50年を迎えたことを記念し、先月末、父島で記念式典が開かれた。式典で小池百合子都知事は「村民の安心、安全を守る観点から、飛行場建設は必要だ」と述べた。

「東洋のガラパゴス」と呼ばれる小笠原諸島は、2011年にユネスコの世界自然遺産に登録されたこともあり、夏になると大勢の観光客がやって来る。近年は、観光客が増加の傾向にあるという。そんな小笠原の父島には何とも不気味なスポットがある。

 父島の中央の山間部を貫く夜明道路沿い、初寝浦展望台の近くに二宮金次郎の像がある。よく見ると首の部分がない。もともとは小学校の校庭に設置されたそうだが、戦時中に軍事施設のあった現在の場所に移された。敗戦後、駐留米軍が帰国するときにある者が、お土産として首を持ち帰ったのだという。

 この二宮金次郎の像にまつわる身の毛もよだつような話がある。3年ほど前、怖いもの見たさで行った30代前半の旅行者はこう語る。

「真夏の夜中1時ごろのことでした。像がびっしりと汗をかいていたんです。あれは、ツユではないです。その日は雨も降りませんでしたし。コンクリートでできていると思うのですが、着物はもう湿ったようになっていたんです。見たのは自分たち3人。その中の1人が『何か子供の声が聞こえる…』と言うので、慌ててその場を離れました。それにしても不思議でした」

 小笠原諸島の玄関口である父島に行くには、東京港竹芝と父島二見港間を結ぶ定期航路の「おがさわら丸」に乗らなければならない。およそ週1回の割合で運航されており、片道約1000キロ、24時間かかる。そのため、小笠原諸島は東京都であるにもかかわらず、異国を思わせるような独自の自然が残されている。