【志賀貢 男の羅針盤】
【深海魚のレバーの驚異的な効用】医療関係の仕事に携わる知人のAさんは、結婚して8年、子供に恵まれず悩んでいました。
ある時、茨城に住む親友を訪ねると、その悩みを聞いた友人が「夫婦であん肝を食べてみたらどうか」と真剣な顔で言うのです。あん肝の効用を聞かされているうちに、「それではダメ元で、あん肝に賭けてみようか」という気になりました。
それから8か月、東京に帰ってから夫婦で毎日のようにあん肝を食べ続けたといいます。
【あんこうの七ツ道具の栄養価】あんこう料理では、プロの板前さんがする吊るし切りが、有名なテクニックです。あんこうを吊るして、さばき、七ツ道具と呼ばれている部分に仕分けしていきます。
身(柳身と呼ぶ)、肝、水袋(胃袋)、布(卵巣)、エラ、ひれ、皮。これが七ツ道具と称されるあんこうのすべての部分で、捨てるところはありません。鍋料理では、これらをすべて使って味噌仕立てで食べます。栄養価が高く、とくにあんこうの肝には、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンEがたっぷり含まれています。
ビタミンEは、子供が欲しい夫婦にはうって付けの食材といわれています。その作用は諸説ありますが、抗酸化作用があって活性酸素から精子や卵子を守ってくれること、さらに、体内の血流をよくすることが、いわゆる妊活に役立っているのではないかとされています。
【深海魚の肝のパワーには、目を見張るものがある】敗戦(1945年)後の食糧危機の時代、日本の子供は肝油を飲まされました。栄養失調を防ぐために、深海ザメの肝臓から摂取した油を与えたのです。高齢者なら記憶にあるでしょう。そして今も、深海ザメのエキスは、栄養食品として人気があります。
さて、Aさん夫婦ですが、現在は、一人娘と3人で暮らしています。もちろん、娘さんはあんこうの肝の贈りもの。夫婦はそう言って、ますますあん肝の信者になっているようです。
☆しが・みつぐ 北海道生まれ。医学博士。昭和大学医学部大学院博士課程を卒業。臨床医として診療を行うこと50年超、現在も現役医師として日々患者さんに接している。文筆活動においてもベストセラー多数。性科学の第一人者にして、近年は高齢者の臨終や性に関しても健筆をふるう。美空ひばり「美幌峠」「恋港」などの作詞も手掛けた。












