Xデーは近いのか――。GMOインターネットグループが不正アクセスを受け、身代金を要求された問題で、GMOの熊谷正寿会長兼社長は「犯人の特定につながる有力な情報を入手した」と明かす一方、ホワイトハッカーらも次々とハッカーの痕跡を見つけて、絞り込み作業が急ピッチで進んでいる。

 GMOが提供する「お名前.comデスクトップクラウド」が不正アクセスを受け、顧客情報がハッカー側に流出。GMOが100万ドル(約1億5700万円)の身代金要求を拒否したことで、顧客の個人情報が10月27日にサイト上に公開された。ところが、このサイトは遮断され、連日の情報公開を予告していたハッカー側はその後、表立った動きを見せていない。

 ハッカーにつながる情報提供者に懸賞金をかけていた熊谷氏は先月29日、Xで「犯人の特定につながると考えられる有力な情報を、本日警察および関係各所へ提出予定」と投稿し、不正アクセス禁止法違反容疑などで捜査している警視庁と連携していることを明かしていた。

 一方、有志によるハッカー追跡作業が活発で、不正アクセスの被害者同士の情報共有を目的としたサイト「情報共有フォーラム」と個人情報が暴露されたサイトのソースコードの一部が同一であることが判明。さらに事件が明るみに出る前に被害者向けサイトが開設されていたことからハッカー側につながる有力な証拠とみられている。

 元2ちゃんねる管理人でエンジニアでもあるひろゆき氏はXに「GMOのクラッカーが大阪在住説。金より承認欲求を優先して手掛かりを増やしてるから、大阪の若者でGMOのサービス契約者とだんだん絞られて来てる模様」(10月29日)と踏み込んだ。

「ハッカーは身代金要求額を5000万ドルから100万ドルに減額したり、個人情報をダークウェブではなく、一般のサイトに公開したり、情報を盗み出した手口まではプロ級なのにその後の対応は稚拙さも感じる。ただ、レベルが低いと思わせ、それすらも計算ずくの可能性もあって、まだつかみ切れていないのが現状では」(IT関係者)

 捜査当局にも苦い経験がある。2012年にサイトに次々と殺人や襲撃予告などが書き込まれたPC遠隔操作事件で、4人が誤認逮捕される冤罪となった。犯人は他人のパソコンにウイルスを感染させ、殺人予告を書き込み、マスコミを巻き込んでの前例のない劇場型サイバー事件を繰り広げ、捜査当局は逮捕後も犯人にかき回され続けた。

 熊谷氏は1日、Xに「『ネットのセキュリティもGMO』『GMO大会議・サイバーセキュリティ』を掲げる当社を標的とすることで、日本のサイバーセキュリティ防衛体制への国際的な信用を失墜させる意図を推察」とハッカー側の犯行動機を予想した。

 一方、共同通信は不正アクセスをしている攻撃側に北朝鮮系のハッカー集団がいる可能性をGMOが考えていると報道。国際的な問題となるかもしれない。

 これまでもハッカーに対し、好戦的な言動を繰り返してきた熊谷氏は2日に事件後初めて記者会見を開く。公の場でどのような発言をするのか。またハッカー側はどう反応するかが注目される。