“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、あの東京メトロから訴えられるという、驚きの経験を持つ女芸人を紹介する――。

【プロフィル】
 芸名:メトロポリちゃんV
 所属:フリー
 学歴:神奈川県立衛生短期大学卒業

 芸名の「V」は「ファイブ」と読みます。多くの芸人がいますが、東京メトロに訴えられたのはこの方だけでしょう。もともと「東京メトロちゃん」という名前で地下アイドルとして活動していましたが、路上ライブをやった際、見ていた人が録画して動画をアップしたら、半年後に東京メトロから内容証明が送られてきて「名前を変えないと60万円請求します」。これが08年のことです。

 東京メトロから派遣された弁護士との話し合いで、「地下鉄子ちゃんにします」と言うと「地下鉄子ちゃんはアイドルとしてどうなんですか」と言われて却下。次に「北京メトロちゃんにします」と言ったら「字面的に東京メトロを想像されるからダメです」。こうして話し合いは半年ぐらい続きました。

 その後、弁護士側が「名前考えてみたんですけど、『メトロポリちゃん』はどうですか?」と言ってきたので「それにします」とあっさり決定。配信サービスのGYAO!で改名式をやった際、ブラザー・コーンさんに「Vとか付けたらカッコイイじゃん」と言われ、弁護士とコーンさんの合わせ技で現在の芸名になりました。

 今は結婚して子供も2人いる中で活動を続けている。そんな彼女に話を聞いてみました。

 ――お笑いを始めたきっかけは

「看護学生だったのですが、つらい時に劇場でお笑いを見て元気になれまして。『医療以外でも元気になれるってすごい! 私もみんなを元気にしたい!』と思いました」

 ――夫は芸人の湯川セイントさんですが、芸人同士の結婚のいい点は

「ネタ合わせやネタの相談が家でできるところ。あと夫はコント師だったので、小道具作りが芸術的に上手! 小道具が必要な時に頼むと愛のこもった高クオリティーのものを作ってくれるので、それが最高です」

 ――逆に芸人同士の結婚の悪い点は

「子供が生まれて、夫が『育児に専念したい』という理由でコンビを解散したのがさびしかった。それで妻の私となら何とかやれるかと『湯上がり夫婦』というユニットコンビは細々と続けているのですが、私は夫のコンビのコントが好きだったから、そっちも続けてほしかったなあと…。でも私も活動してるからとにかく時間が足りなくて、それで子供との時間を大切にしたい夫はお笑いから離れてしまった…。難しいですね」

 ――子供が2人いる中でお笑い活動は大変?

「夫とコンビを組んでいるので、子供を保育園に預けられない時間や休日にライブがあると出られないのが大変だなあと…。『連れてきてもいいよ』という主催者さんもいらっしゃるので、どうしてもの時は連れて行ったりもするのですが、あまり良くない気もするし、葛藤がありますね」

 ――ピン、夫婦、歌、ユニットと幅広く活動

「お笑いはピンと夫との『湯上がり夫婦』。歌はソロと、最近は芸人アイドルグループ『風呂敷お姉さん』に電撃加入して、めっちゃ楽しい! あと手話の勉強もして手話ソングも今後展開予定。フラダンスや民謡のお稽古もしていて、東京・中野区の盆踊りで東京音頭などを歌ったり。中野区観光大使も10年以上やってるし、ナカノ観光レポーターもやってます」

 ――趣味は

「中野区のランチ巡り。私、ランチだーーい好き! お得でおいしいランチを食べて紹介記事をSNSに書いて、みんなが見て輪が広がっていくのがジ~ンとして。うれしいし、楽しいです!」

 ――今後の目標は

「ちゃんとお笑いのコンビもやりたいです!」

 私が主催するライブに誘うと返信が独身の芸人より早く、フットワークが軽くて打ち上げにも参加する。精力的でパワーがあり、歌もお笑いもなんでもこなす。最高の芸人さんだと思います。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。