“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、もともとは夫婦だったが、その後離婚…。それでもコンビは解散せずに舞台に立ち続ける男女漫才師を紹介する――。
【プロフィル】
コンビ名‥はまこ・テラこ
結成‥2000年10月
所属事務所‥WAHAHA本舗
男性‥はまこ
生年月日‥1978年10月8日
女性‥テラこ
生年月日‥1979年8月16日
今年の「THE SECOND」の選考会に僕が組む馬鹿よ貴方はが出演したのですが、1つ前の出番がはまこ・テラこのお2人でした。会場は「CBGKシブゲキ!!」。席数300席が満席でしたが、ずっと笑いが起こっていました。
どんな漫才をしているかと思って袖から見たら、舞台上にいない! でも2人の声はする。笑い声もある。不思議に思っていると、なんと客席に降りて会場を練り歩き漫才をしていた。営業と間違えて来たのかと思うぐらいお客さんに歩み寄り、お客さんから大きな笑い声が起きていた。
正直言って、笑い声だけで言ったら絶対に通過するぐらいの爆笑でした。ただ、マイクの前で漫才をやっていない。それどころか舞台にもいなかったので、敗退を余儀なくされたのだと思います。
この2人、もともとは夫婦漫才師でした。しかしその後、離婚。珍しいのは離婚はしてもコンビは解散しないところ。元夫婦漫才師として舞台に立っている。男のはまこさんはまだテラこさんが好きで、ネタ中に復縁を迫ることも多い。もともとアドリブが多いのですが、2人の漫才が面白いのはドキュメントな部分。その日の気持ちひとつで内容が変わってしまい、もう二度とは見られない一度きりの漫才になることも多い。
女性のテラこさんに話を聞きました。
――お笑いを始めたきっかけは
「セクシー寄席に参加してネタを作ったこと」
ちなみにセクシー寄席とはWAHAHA本舗所属の女性お笑いグループ。下ネタを中心としたコントユニットで、これがめちゃくちゃ面白くてテレビでのネタ勝ち抜き戦でもかなり勝ち抜いておりました。
――離婚しても解散しなかったのはなぜ
「離婚と解散は全く別の話。解散するつもりは今後もありません」
――下ネタがすごく好きなイメージですが
「好きです。ただ下品なことをやりたいわけではなく、バカバカしくておかしい『お下品』を意識しています」
――その場でしゃべっているようなネタですが、台本はどう作ってますか?
「相方と『こういう会話(漫才)をやりたいね』と言って、実際にそのテーマで会話する。それを録音して台本に起こしてから直します。本番でウケなかったらその場で台本は捨ててしゃべります」
――「THE SECOND」選考会では客席に降りていたが、どういう戦略だった?
「戦略ではありません。台本ではなく本音をしゃべっていたら、ああなりました」
――はまこさんは最高の相方ですか?
「はい」
――今後の目標は
「50歳までに別居する」
――今も一緒に住んでいるんですか?
「はい」
そんなわけで離婚後も一緒に暮らしているので、息の合う漫才の要因はここにあります。楽屋と舞台でやっていることがあまり変わらないのも魅力です。テラこさんの言う通り、台本がウケないと急きょその場で方向転換。驚いたはまこさんが、台本と違うことをやってきたと問い詰めると「こんな面白くねえネタできるか!」と怒られ、新しい漫才がその場で作られ、気づけば大爆笑になる。言ってしまえばスベリ知らずの漫才です。
賞レースの予選でその日一番ウケることも普通にありますが、求めていることと違うのか、1回戦で落ちることも多いのも、もはや魅力です。旦那としては失格でも相方としては最高という最強コンビは、今後もお客さんを爆笑の渦に巻き込んでいくことでしょう。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












