アジア大会中継による放送休止前最後となったTBS系日曜劇場「VIVANT」第18話(13日、第2シーズン第8話)。ここで生存が明らかになった元公安刑事の新庄(竜星涼)を巡り、公安部部長・佐野(坂東彌十郎)の言動に疑問が持ち上がった。

 新庄は逃亡先のタイで現地警察に銃殺され、遺体が日本に運ばれる過程が第14話で描かれていた。別班工作員5人拉致への関与が疑われ、主人公の乃木(堺雅人)らに追われる身だった。死んだはずの男が、乃木が弟でテロ組織テントの残党を仕切るノコル(二宮和也)の協力を得て行う拉致メンバー奪還作戦の会合の場・バルカ共和国に現れた。

 新庄の「死亡」は偽装工作によるもので、乃木が持ちかけた取り引きに応じて成立。日本で自由を失うのを避ける代わりに「全くの別人としてバルカに渡り、ノコルの右腕になってもらう」。劣化した第三者の遺体にデスマスクをかぶせた「遺体」が日本に送られた。

 18話では「銃殺」から遺体の偽装までが回想シーンをまじえて放送された。流れなかったのは日本での確認場面。14話ラスト、ひつぎが移送された羽田空港で4人が対面した。漂う腐臭にたじろぎながら、顔を見ると「新庄…」と声が漏れる。佐野は「ご両親も見るに堪えないだろう」と火葬して遺骨を引き渡すよう指示。「検視は」の問いは「死因は分かってる。タイでの検視も済んでる。いいだろう」と退けた。

 遺体の確認ミスといえば、先日終了したテレビ朝日系「マイ・フィクション」や1月期のフジテレビ系「夫に間違いありません」でもあった。だが今回の事態は警察の失態となりかねない。一方で佐野に何らかの意図があり、あえて検視スルーとした疑いも浮上する。

 佐野はタイの乃木から報告を受けた当時「新庄が死んだだと!」と返していた。このやり取りの動画が別班のAIハヤトに検証され「想定外の反応で間違いない。心の底から驚いている」と判定されている。ウソはないとのことだが、至るところに仕掛けが施されている「VIVANT」だけに、不可解にも見える佐野の検視却下は伏線の含みを持たせるシーンとなった。