2005年に放送されたドラマ「電車男」。当時かなり話題になった作品なので覚えている人も多いだろう。その作中に登場する“劇中劇”のアニメが「月面兎兵器ミーナ」で、07年には正式なスピンオフ作品としてアニメ化された。

 今回取り上げる「ビューティフル・ストーリー」は、そのアニメのエンディングテーマで、歌っているのは主役を演じた声優・井上麻里奈だ。

 この曲は音楽プロデューサーの中田ヤスタカが作詞・作曲・編曲を手掛けたもので、どこを切り取っても“中田印”のテクノポップ。それだけではイメージしにくいかもしれないが、同じく中田プロデュースによるPerfumeの楽曲群を想像してほしい。まさに“アレ”である。

 ただし、Perfumeが大ブレークするきっかけとなった「ポリリズム」の発売は07年9月。対して「ビューティフル・ストーリー」は同年2月に発売されているから、こちらの方が半年以上早い。つまり、あの一世を風靡したサウンドのプロトタイプともいえるわけだ。

 Perfumeのようにオートチューンを駆使したエフェクトボーカルではなく、井上麻里奈のストレートな声で歌われているので、少し印象が違うかもしれないが、それ以外は完全に同路線の、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅの楽曲と比べても全く遜色がないテクノポップの絶品だ。

 ちなみに井上麻里奈は本人名義としてはシングルを3枚しか発売しておらず、この曲が今のところ最後。だがその後、キャラソンに関しては数えるのが困難なほどたくさん歌っているので、シンガーとしての彼女の魅力はいくらでも味わえる。キャラソンにも良曲が多く、また機会があればそれらも紹介したいと思う。