フィギュアスケート男子で2022年北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)が、名門大学で新たな人生をスタートさせた。

 チェンは北京五輪の個人&団体で金メダルを獲得後、第一線から離れている。勉学面ではエール大学で学士号を取得。医学部の進学を目指し、心臓病学や腫瘍学などについて学びを深め、名門・ハーバード大学医学部に合格した。

 米メディア「EssentiallySports」は「米国の五輪チャンピオンは先日、ハーバード大学医学部で行われた白衣授与式に出席し、氷上から世界の頂点へと彼を導いたキャリアの新たな章が正式に始まった」と切り出した上で、チェンの隣に立っていた女性に注目した。

 その女性はテンリー・オールブライト氏。1956年コルチナダンペッツォ五輪で米国人女子選手として金メダル第一号に輝いたレジェンドだった。オールブライト氏は引退後の61年にハーバード大学医学部を卒業し、医師となった。同メディアは「この瞬間はまるで米国のフィギュアスケート界の二世代にわたるチャンピオンのバトンタッチのようだった」と伝えた。

 そのチェンはハーバード大の入学試験が「五輪に出場するよりも神経をすり減らすものだった」と回想。今後は胸部外科などを視野に入れて勉強していくという。同メディアは「チェンはスケート靴を脱いで白衣に身を包むことになるが、五輪チャンピオンはかつての世界を捨て去ったわけではない。彼はただ、これまでとは違う種類の氷の上に足を踏み入れただけなのだ」とエールを送った。