第2シーズンが始まったTBS系日曜劇場「VIVANT」の通算第11、第12話に登場した国名「キプロス」が「イスラム教国家」とされたことに、SNSで違和感も寄せられている。

 Xへの投稿で「キプロスがイスラーム国家って説明されててフツーに違うだろ!てなった」「キプロスの扱いがどういう世界線のキプロスなのか気になってる」「キプロスはイスラム国家じゃないぞ」と一部の視聴者から声が上がった。

 商社員にして自衛隊の非公然組織「別班」メンバーとして、テロ組織・テントの実態に迫ってきた乃木(堺雅人)が主人公のドラマ。第2シーズンでは別班の仲間5人が個別に拉致され、コーカサス地方の国々に送られる。その行方を追う乃木は、バルカ共和国からキプロスへ飛ぶ。テント幹部のアリ(山中崇)が拉致に関係しているか調べるためだった。

 ベネズエラにいたアリが、キプロスに移ったことを乃木はテントのナンバー2、ノコル(二宮和也)から知らされる。テント首領のベキ(役所広司)の逆鱗に触れたアリだが、許されて自由の身に。「キリスト教国家で治安の悪いベネズエラより、イスラム国家で家族が暮らしやすいキプロスを移住の地に選んだ」とノコルは説明した。

 キプロスは現状、ギリシャと友好的なキプロス共和国と、トルコの息がかかった北キプロス・トルコ共和国という南北分断状態が1974年から続いている。後者はトルコからのみ国家承認されており、「キプロス」といえば前者が一般的だ。

 米国務省の2023年リポートによると、共和国の宗教別人口比は、正教(ギリシャ)が89・1%、ローマカトリックが2・9%、プロテスタントが2・0%とキリスト教がほとんどで、ムスリムは1・8%に過ぎない。イスラム教が強いのはイスラム国トルコの影響を受ける北キプロス。

 ところが「VIVANT」では、キプロス島全体が地図で映し出され、南北境界らしき線引きはあったが、北側を強調してはいなかった。そのため、いわゆるキプロスが「イスラム国家」では違和感も生じさせた。Xでは「北キプロスならそうかもだが」「親イスラムみたいなこと言ってたけど北だけじゃん」「イスラム圏なのは北キプロスのみ」と指摘された。

 劇中、別班員が貨物便で移送された先の「ラルナカ空港」については、現実としてキプロス最大国際空港「ラルナカ国際空港」が共和国にある。もう1つ登場した「キプロス国際空港」は存在しないとみられる。

 アリの拠点は、北側の特徴を含めた〝合成〟キプロスなのか…。