まさかの出遅れだ。大相撲名古屋場所2日目(13日、愛知・IGアリーナ)、横綱大の里(26=二所ノ関)が幕内藤ノ川(21=伊勢ノ海)に突き落とされて金星配給。左肩の故障による2場所連続休場から復帰した矢先、連敗発進で賜杯奪回に暗雲が垂れ込めた。現役最多の優勝5回を誇る横綱は、どうしてしまったのか。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(42=本紙評論家)が敗因を徹底分析した。
大の里はもろ手で藤ノ川を突き起こし、右を差して優位な形に持ち込んだ。ところが、慌てて前に出たところを回り込まれると、最後は突き落とされて土俵に横転。館内に座布団が舞い、横綱は両目を閉じて首を振った。取組後の支度部屋では「最後、勝てなかったので。詰めの甘さがあった。また明日、しっかり集中してやります」と気持ちの切り替えを強調した。
入門から2年あまりで横綱まで駆け上がり、現役最多の優勝5回をマーク。しかし、昨年九州場所で左肩を負傷して暗転した。2場所連続休場から復帰した今場所の初日は、新小結義ノ富士(伊勢ヶ浜)を相手に引く悪癖が出て完敗。この日は通算12個目の金星を配給し、初場所千秋楽から6連敗(不戦を除く)となった。「最強力士」はどうしてしまったのか。
秀ノ山親方は「心の部分で勝ちを強く意識するあまり、隙が生まれている。この日の相撲も強引に出たところを狙われた。焦っていることが相手にも伝わって、そこにつけ込まれている。番付を上がっていく時は怖いもの知らずで『どこからでも来い!』というメンタルだった。今は守りに入って、負けられない気持ちが先走っている」と分析する。
敗因は他にもある。今場所前には二所ノ関一門の連合稽古に参加し、大関琴桜(佐渡ヶ嶽)を圧倒。ただ、それ以外は部屋での調整が中心だった。秀ノ山親方は「琴桜は同じような体格だから圧力勝負になりがち。小兵力士や苦手にする力士のところへ出稽古に行かないと、相撲勘の細かい部分は養えない。体の寄せが甘かったり、一瞬の隙を突かれたり。攻めが雑になっている印象」と指摘した。
実際、初日の義ノ富士には3戦3敗(不戦を除く)、この日の藤ノ川にも2戦2敗。準備不足は否めない。その中で、立て直すための方策はあるのか。秀ノ山親方は「攻めることと、攻め急ぐことは違う。右下手を取るまで我慢するとか、今は勝ち負けよりも相撲内容にこだわることが大事。そうすれば、おのずと体格差や本来の圧力も生きてくる」と力説した。
ここから大の里は、負の連鎖を断ち切ることができるのか。早くも序盤で正念場を迎えている。












