【噂/フリートウッド・マック(1977年)】
1967年に英国ブルースブームの中心的存在としてデビュー後、あまりに多くのメンバー変遷と音楽的変化を経た後にリリースされた傑作。全世界中で4000万枚以上を売り上げ、全米で31週連続1位のメガセールスアルバムとなった。デビュー当時のゴリゴリのブルース色は姿を消し、悪く言えば最大公約数的な誰にでも愛されるポップな曲が並ぶ。75年の大ヒットアルバム「ファンタスティック・マック」(全米1位)の路線を継承しており、とにかく聴く側にプレッシャーを与えない軽快なヒット曲が続く。
冒頭の軽快な「セカンド・ハンド・ニュース」から、永遠の歌姫スティーヴィー・ニックスが歌う「ドリームス」(全米1位)、クリスティン・マクヴィー作の「ドント・ストップ」(全米3位)、リンジー・バッキンガム作の「オウン・ウェイ」(全米10位)と続き、クリスティンの「ソングバード」でA面は終わる。B面はリンジーとスティーヴィーのデュエット「ザ・チェイン」で始まり、名曲「ユー・メイク・ラヴィング・ファン」(全米9位)を経て、最後はスティーヴィーの「ゴールド・ダスト・ウーマン」で幕を閉じる。
とにかくスキのないポップアルバムで、わずか10年前には究極の白人ブルースバンドだったとは思えない。しかも当時のバンド内の人間関係は最悪であり、リンジーとスティーヴィーを筆頭にほとんどのメンバーが離婚や離別状態になっていた。そんな最悪な状況下で生み出された作品だがバンドとしては最高傑作となった。不思議だ。
米分析会社ルミネイトの調査によると昨年に米国で最も聴かれた70年代の曲は「ドリームス」で、実に3億8740万回再生されたという。この切なくも美しい名曲は永遠に聴かれ続けるのだろう。












