自民党の党大会に陸上自衛隊の隊員が国歌斉唱を務めて物議を醸した問題で、木原稔官房長官は15日、「しっかりと反省すべきだ」とこれまでの「問題なし」から一転、非を認め、火消しに走っている。

 12日に開催した党大会で、陸上自衛隊中央音楽隊の鶫真衣3等陸曹が開会セレモニーで国歌を斉唱した。現役隊員が制服姿で登場したことに「隊員は選挙権の行使を除き、政治的な行為をしてはならない」と定めた自衛隊法に抵触すると野党が追及していた。

 自民党の鈴木俊一幹事長や萩生田光一幹事長代行は「違反しない」と説明に追われ、高市早苗首相は14日に「自衛官は職務ではなく、私人として旧知の民間の方から依頼を受け、国歌を歌唱した。自衛隊法違反には当たらない。(党大会出席も)法律的に問題ない」と話し、自身の関与は否定していた。

 ところが、木原氏はこの日、「法律に違反するということと、政治的誤解を招かないかということは別問題で、しっかり反省すべき」と姿勢を改めた。連立を組む日本維新の会からも「不適切だったという評価を下さざるを得ない。自民の意思決定はうかつだった」(藤田文武共同代表)、「自民党側が政治的に配慮すべきで、自衛官が不利益にならないようにしてほしい」(吉村洋文代表)と苦言を呈された。

 高支持率でおごりが出ていた中で、自浄能力を見せたともいえるが、ハシゴを外されたのは小泉進次郎防衛相だ。木原氏は「法的問題はなくても政務三役や官房長、事務次官まで上がっていれば別の判断があった」と付け加え、党大会を仕切った自民党執行部ではなく、防衛省内の体制に問題があったとした。

 小泉氏は党大会直後に鶫陸曹とのツーショットをポストするも自衛隊法違反を取りざたされ、「念のため事実関係などを確認するため、いったん取り消した」「事前に聞いていなかった」と苦しい釈明に追われていた。

 防衛省内の情報共有に問題があったのは事実だけにトップとして反省を示すことになりそうだ。