【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。2月28日のアメリカとイスラエルによるイラン攻撃で始まった中東地域の紛争が始まってから1か月がたちました。

 イランの支援を受けるイエメンの反政府武装組織フーシ派も戦闘に加わるなど、複数の国と地域を巻き込み紛争が広がっています。ホルムズ海峡も事実上封鎖されていて、世界情勢は不安定な状況です。一日でも早く平和な日常に戻ることを祈るばかりです。

 そんな状況に関連し、今週は地球を救う壮大な裏テーマを感じる新作映画「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を紹介します。

 今作は大ヒット映画「オデッセイ」原作者のベストセラーSF小説を映画化した作品。地球滅亡の危機を救うため1人で宇宙に派遣された科学教師のグレースが、宇宙の果てで孤独に生きる異星人と、友情を育みながら地球を救うミッションに挑む物語です。

 たった1人で謎だらけの宇宙に放り出された主人公の奮闘が最初の注目ポイント。序盤は1人芝居とミステリー要素が多めで、観客もブツクサ独り言を言いながら悪戦苦闘する主人公と同じ気持ちを画面越しに味わうことができます。映画を見ながら謎解きゲームをやっているような感覚でした。

 そして異星人と出会いを果たすのですが、今作は「E.T.」や「未知との遭遇」などの同ジャンルの過去作のどれとも違う。隔絶された孤独な者同士が出会ってしまったという点が特徴的です。対峙して、お互い全く訳のわからない生命体なんだけど、ゆっくりじっくり触れ合うことでだんだん関係がほぐれて友になっていく。2人きりだからこその友情がとても美しく感じました。

 2人は協力して宇宙の異常に立ち向かうのですが、そこにあるのはただ「友のため」という純粋な気持ちなんですよ。損得や大きな大義ではなく、友のことを思った結果、力を合わせるんです。そこに僕はとても壮大なテーマを感じて胸を打たれましたね。国や人種、宗教などの違いで細かい部分まで分かり合うことは難しいかもしれませんが、もっと単純に相手が友達だったらどうしてあげたいか。困ってる友達のために何ができるんだろうかって考えることが、広い意味でこの地球を救うんじゃないのかなと思わされました。

 壮大な裏テーマを持ったイチ押しの作品。ぜひ劇場でご覧ください。