【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。アイドルグループ「嵐」のラストツアーがついに始まりましたね。

 スタートを飾る札幌公演は3日間で約15万人を動員し、大きな盛り上がりを見せました。嵐は全世代にファンを持ち、誰もがメンバーの名前を言えるような国民的グループですよね。活動休止は寂しくなりますが、最後の一日まで全力で走り切ってほしいですね。

「嵐」の大きな背中を追いかけて、後輩グループの皆さんも活躍の場を広げています。そこで今週は、次世代の国民的アイドルとも言える「なにわ男子」の道枝駿佑さんが主演を務める新作映画「君が最後に遺した歌」を紹介します。

 同作は一条岬さんの同名小説が原作。詩作を趣味とする高校生の春人(道枝さん)と文字の読み書きが苦手な「発達性ディスクレシア」のクラスメイト・綾音(生見愛瑠さん)が歌作りを通して距離を縮めるラブストーリーです。

 今作のポイントは、言葉と音の分担作業で成立する新感覚のラブストーリーである点です。春人君は歌詞を書く、綾音ちゃんは音を奏でる。2人揃って初めてハーモニーが生まれるんですよね。恋愛映画は惹かれ合う2人のすれ違いが中心に置かれることが多いんですけど、今作も音楽を巡る2人の関係性がなんとももどかしい。その分2人が合わさった時の感動がひときわ大きく感じられました。

 また、音楽プロデュースを務めた亀田誠治さんの手腕、音楽を主軸にする映画的設計図が素晴らしかったです。この映画は物語そのものが音楽であった、と言えます。

 今までの恋愛映画だと音楽はBGMで盛り上げ役。しかし今回はそれこそ音楽が主役。歌詞もこだわりがすごくて、この歌詞は物語のあの時の気持ちだと気付くような仕掛けがところどころにある。後から音楽だけを聞いても、時間差で胸に来るようなすごみがありました。

 道枝さんは今作が初の単独主演。心の機微をセリフで表現するんじゃなくて詩で表すような少しクセのある主人公を見事に演じていました。奥ゆかしい、ストレートじゃない感情表現がよくできていて、これからさらに演技で活躍の場を増やすのではと感じましたね。

 学生時代の甘酸っぱい思い出は誰にでもあるもの。言葉にならない感情を音楽で表す奥ゆかしさで、あの頃のピュアな気持ちを思い出させてくれる一作だと感じました。ぜひ劇場でご覧ください。