ボクシングWBA・WBC・WBO世界スーパーバンタム級1位の中谷潤人(28=M・T)が17日、同級世界4団体統一王者の井上尚弥(32=大橋)とのタイトルマッチ(5月2日、東京ドーム)へ向けた米ロサンゼルス合宿出発前に羽田空港で取材に応じ、野球世界一を決めるWBCから刺激を受け、感動を与えることの大事さを強調した。

 権威ある専門誌「ザ・リング」が定めるパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じたランキング=PFP)で2位につける井上と7位につける中谷の戦いは、日本史上最大だけでなく世界トップレベルの戦い。野球の世界一決定戦であるWBCに匹敵するといっても過言ではない。日本代表は準々決勝のベネズエラ戦で敗れたものの、大きな盛り上がりを見せた戦いぶりを中谷も観戦していた。

 ベネズエラ戦では中谷と同じマネジメント事務所に所属する鈴木誠也(カブス)がヒザを負傷して交代し「心配だった」という。日本代表が優勝を逃したことには「結果はつきもの。そこに向けてどういうプロセスを経て、いろんな人を感動させたり、心を動かせられたかが重要。たくさんの人の心が動いた試合が多かったと思う」と健闘をたたえ「そこは僕自身も刺激を受けました」と語った。

 挑む相手は強大だが、今回の合宿も「気合の入り方はいつも通り」と自然体で臨む。「これからできること、できないことをチョイスしながら完璧に仕上げていきたい。全部は100にできないイメージ。今できないことにしっかり取り組むより、できることをしっかり伸ばして完成度を高く持っていければいい」とテーマを掲げた。

 決戦まで残すところ約1か月半。「積み上げてきたものしか出ないと思っている。自分が成長するためにできることを集中してやっていけば、おのずといいパフォーマンスができると思うし、勝利に結びつくと思うので、自分自身を信じて残りの期間も仕上げていきたい」と己を磨き上げていく。モンスター超えを果たして日本に感動を与えられるか。