トランプ大統領が24日、全世界に対し10%の新関税を発動した。

 トランプ氏が昨年4月、各国ばらばらの税率(10~41%)となる相互関税を発表し、世界を混乱させてきた。当初、日本は24%と発表されたが、度重なる交渉の結果、15%となった。

 しかし、米連邦最高裁は20日、トランプ氏が各国に課した相互関税について、トランプ氏には関税を課す権限がないとして、違憲だとする判決を下した。

 最高裁は、関税は外国の脅威によって生じた国家非常事態の際に通商を規制する権限を大統領に与えた1977年の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき議会が大統領に与えた権限を超えていると判断した。

 するとトランプ氏は21日、新たな関税として世界各国に一律10%を発表した。これは1974年の通商法第122条によるもので、大統領が貿易不均衡に応じて最大150日間、最大15%の関税を課すことができると定めている。その後は議会の承認が必要となる。

 そして、日本時間24日午後2時に、まず10%として発動した。日本には、トランプ政権発足前の関税率にそのまま10%を上乗せすることになる。

 ただし、トランプ氏は22日に新関税を10%から15%に引き上げると表明しているため、近いうちに新関税が15%に上がりそうだ。

 それにしても、あまりに素早いトランプ氏の対応だ。実は、最高裁で相互関税に対し、違憲判決が出る可能性が高いと予想されていたため、判決前から新関税の準備をしていたのだろう。

 米国事情通は「米国は、相互関税で1300億ドル以上(約20兆円)を徴収していましたが、それを返金しなければいけない可能性もあったからです。ただ、最高裁は返金まで踏み込む判断はしませんでした。何より、トランプ氏の最大の外交カードである関税システムの空白期間を作ると、政権の一貫性が崩れますし、その間の収入も途絶えます。取り急ぎ世界一律の新関税を発動しておいて、150日の間に、相互関税のような望む国に壊滅的な関税を課せられる抜け穴を探すのでしょう」と語る。

 一方、連邦最高裁の判決は、トランプ氏のカリスマ性が失われつつある証拠となっているという。

 最高裁は6対3の多数決で関税を無効とした。この違憲判決には、トランプ氏が任命した2人の裁判官も含まれていた。

「保守派が多数を占めるはずの最高裁が、トランプ氏を違憲とする判決を下したのは、第2次トランプ政権において初めてのことです。そもそも、徴収した約1300億ドルの関税は、政府が潤うだけで国民に還元されず、輸入業者が負担し、輸入品の価格上昇で国民が苦しいだけ。その政策ミスに国民も気づいています。米国では、トランプ氏を〝裸の王様〟と指摘する報道が増えています」と同事情通は話している。

 実際、インターネット市場調査・データ分析会社「ユーガブ」が最高裁判決の数時間後に行った調査では、60%の米国人が判決を強くあるいはある程度支持している。不支持はわずか23%だ。