【コーギス/コーギス(1979年)】
ニューウェーブの嵐が吹き荒れていた時期に異彩を放った英国ポップロックの名盤。1970年代前半から活躍していた英国の職人的バンドとして評価の高いスタックリッジの元メンバー、ジェイムス・ウォーレンとアンディ・デイヴィスによるポップ・ユニットのデビューアルバムである。
とにかくアルバムを通してポップロックの王道を貫く美しいメロディーに圧倒される。ビートルズ、ビーチ・ボーイズら巨匠たちの音楽を継承しつつ、オマージュに徹したような楽曲の素晴らしさは他のバンドを圧倒していた。邦題は「とどかぬ想い/噂のコーギス」とトホホなものだが「とどかぬ想い」はアルバムに先行してシングルカットされ、全英13位を記録するヒットとなった。泣けるほど美しいナンバーである。
シンセサイザーやエレクトリックピアノなどテクノと共通点はあるものの、抒情的ながら英国伝統のシニカルさを加えた優れたポップスがアルバムを通して展開される。加えて電気楽器の音をひねりの効いた優れたメロディーと声が凌駕しているのだ。
冒頭の「若きロシア人」から「アイ・キャント・ヘルプ・イット」に続く流れは感動的。他にもほぼビートルズのような「ダーティ・ポストカード」、「コールド・ティー」など佳曲揃いだ。
バンドは翌80年にセカンド「ダム・ウェイターズ」から全英5位を記録した奇跡的な美しさを誇るシングル「永遠の想い」をリリースする。同曲がバンドの最高傑作という人は多く、まさに「永遠に」残る名曲である。まずはファースト、そしてセカンドと英国独特のセンスに満ちたポップスの魅力を体感してほしい。












