準強姦罪に問われている映画監督の榊英雄被告(55)の公判が23日に東京地裁で開かれ、検察側は懲役10年を求刑した。一方の榊被告は「無罪」を主張し、さらには「監督の前に男です」と持論を展開するなど〝大演説〟を行った。

 榊被告は黒縁メガネを掛け、白色のタートルネックにグレーのジャケット姿で出廷。公判中、白髪交じりだった頭は、染め直したのか黒々とし、整髪料でしっかりと整えられていた。そして左手首には数珠をし、左手の中指には大きな石の指輪が光っていた。

 起訴状によると榊被告は2015年と16年に女優として活動する20代の女性2人に「演技指導」と称して、わいせつな行為を行ったという。榊被告は映画監督という立場を利用し、要求に応じなければ女優活動に支障をきたすのではないかと女性に不安を抱かせ、抗拒不能であることに乗じて、行為に及んだ。榊被告は男女の関係は認めたが、女性が抗拒不能であったことを否定。公判でも一貫して「冤罪です」と無罪を主張していた。

 検察側は「監督と駆け出しの俳優という圧倒的な立場の差を利用し、女性を自身のはけ口とした卑劣で悪質な犯行」と断罪し、懲役10年を求刑。

 一方の弁護側は「被告と被害者には合意があり、被害を訴える女性の供述は不自然。結論ありきで捜査が進められた」として無罪を主張した。

 最後に述べたいことを求められた榊被告は、証言台に立つと「私は冤罪であり、無罪を主張します」とキッパリ。被害女性の訴えに対しても「私の作品に出続けていました。その後もLINEで連絡をしている。これはどういうことでしょうか?」と疑問を投げかけた。続けて「不適切な関係、不倫、淫行は認めます。監督の前に男です。女性が好きで女性のケツを追いかけたことあります。しかし、それを歪曲されてしまった」と訴えた。

 榊被告の訴えは止まらず「拘置所での660日は非常にいい日々でした。これは負け惜しみでもありません。冤罪が生まれない法治国家になるように戦い続けていきます。これは榊家の目標であり、戦い続けるしかありません」と決意を語った。

「ここまで榊被告が持論を述べたのは、強く無罪を主張する狙いがあったとみられます。しかし有罪となった場合、反省の態度がみられないと判断され、量刑に影響する可能性があります」(法曹関係者)

 判決は来年3月6日に言い渡される予定だ。